【2022年9月分】景況調査

【2022年9月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 7.5 − 25.0 − 15.0 − 22.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 販売は低調。原料在庫は十分にあり、仕入れの動きも鈍い。(食料品製造業)

繊維工業

 人手不足で設備操業度が低下してきている。縫製業は外国人技能実習生の受け入れはできるものの特定技能活動制度の職種に該当せず制度に不平等を感じている企業が多い。(繊維工業)
 依然として燃料費・材料費の高騰は続いている。(繊維工業)
 売上が前年同月比で増加した。秋冬物がでる時期となり秋冬物への市場の期待感が大きいよう。ただし、原料価格の高騰は続いているので収益状況は依然厳しい。(繊維工業)

木材・木製品

 令和4年8月の新設住宅戸数は全国で77,712戸と4ヶ月ぶりの増加、全体で前年同月比4.6%の増となった。持家は9ヶ月連続の減少で前年同月比11.1%減少。民間資金は8ヶ月連続の減少、公的資金も10ヶ月連続の減少となった。貸家は18ヶ月連続の増加で、前年同月比8.9%増加、分譲住宅は先月の減少から再びの増加、内マンションも再びの増加となった。近畿圏の新設戸数は12,691戸で前年同月比13.4%の増加となった。県内の新設住宅戸数は436戸で前年同月比18.5%の増加。プレカットの状況は販売価格、長期金利の上昇により購買意欲が落ちることが予想され、住宅需要の先行きが見通せない状態。国産材と県産材の原木については徐々に価格の軟化が続き、市場によってはスギ、ヒノキの価格の拮抗も起こっている。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 今年を通して依然続く低迷状態は、益々悪化、資金繰りが特に困難になっている。発注先工務店が原材料を取り巻く状況に敏感になり注文住宅の受注を控えるようになっている。また、店舗補修も動かず、同じ状況にある。万博が有るとしても大きな仕事は零細企業には手の届かないものと考えられる。(家具・装備品製造業)
 資材の値上がり率はようやく鈍化してきた。業況として盆明け以降、徐々に物件が動き出している傾向。大型店舗の改装計画も聞かれるようになり、年末に向けて期待しているところである。売価は物価上昇にかかわらず、下降気味にある。これまでの需要減もあり受注を確保するため各社価格を抑えているものと思われる。まだまだ不安定要素が多い中、来季へ向けた新卒採用募集や設備投資など積極的な動きはできていない状況。また、コロナ融資の返済が少なからず影響するものと思われる。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 対前月比では農薬中間物が増、精密化学品と高分子が減で、出荷量20.4%、出荷額19.9%の減少であった。このうち1/2程度は季節的要因によるものと推察される。対前年同月比でもそれぞれの品目で減となっており、出荷量10.6%、出荷額12.6%の減少であった。新型コロナウイルス感染症の新規感染者は減少傾向にあり、一日も早い収束が望まれる。こうした中で景況は急激な円安の進行が輸入原材料の高騰を招き、あらゆる分野に値上げが波及しつつあり、生産者及び消費者双方に悪影響を及ぼしつつあると思われる。(化学工業)

窯業・土石製品

 前年に比べ生コン出荷量は微増した。ただし、前年出荷量はその前の年の半分程度と激減しているため、持ち直したとは到底考えられない。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月の売上が少なかったため、前年同月比で約50%の売上増加となった。10月も売上増の予想であるが、未だ本格的な回復であるかは疑問である。(金属製品製造業)
 状況には変わりがないが、全体として売上げは増加となってきている。しかし、景況感の好転にはまだまだ時間がかかりそうである。また、材料のリードタイムが長くなっているのは変わりがない。(金属製品製造業)

その他の製造業

 不況時には濃い色合いの注文が増える傾向にあるが、9月期は明るい色調が多く見られた。やや回復傾向にあるかもと期待している。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 去年より売上は増加傾向にあるものの、原材料価格の高騰により収益はさほど変わらないように見受けられる。10月から値上げされる商品は多いものの、給料は変わらず物価は上がっているので買い控えが加速するのではないかと心配している。(その他の製造業)
 販売価格は上昇と不変が別れており、転嫁の状況差と思われる。景況については悪化から不変に転じており、商談会の影響があるのかもしれない。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 9月になりコロナ感染者も減少しており、影響は少なくなっている。慢性的な人手不足は続いており、商品供給においても制御関係部品に問題があり改善していない。官公庁物件では、トンネル照明のLED化工事の発注が増加予定であるが、材料不足により工期に影響がでる可能性がある。原材料や燃料価格の高騰により商品価格が上昇している。(機械器具卸売業)

小売業

 9月9日、政府の「物価・賃金・生活総合対策本部」において、ガソリン等への補助金制度を12月末まで延長することが決定。一部で報道されていた縮小は見送られ、現状の仕組みを継続しつつ、基準価格は168円で維持することになった。SS経営者は一先ず安堵。 但し、10月5日のOPECプラスによる協調減産合意、ウクライナ情勢、円安基調等により今後も原油市場の先行きは不安定である。(その他の小売業)
 複数のメーカーが今年2度目の値上げを実施する予定。値上げ幅も大きく、通算で20%~60%高という記憶にないような割合の値上げを実施するメーカーもあり困惑している。 政府は、金利を据え置き円安容認、あくまでも輸出のメリットをPRするが、日本もこの先いずれ大混乱になることが予想される。零細企業が対応できる部分はわずかです、何らかの準備をしておく必要に迫られる。(その他の小売業)

商店街

 商店街の西側入口の店舗が取り壊されて更地になっている。所有者から具体的利用法について連絡がなく、駐車場になるとの噂もあり、動向を注視している。また、仕入れ価格の上昇と店舗運営費の上昇が収益を圧迫している。依然として顧客の購買意欲は低いままである。組合の賦課金負担が徐々に重く感じる個店・組合員が増えてきている。がんばろう!商店街事業が再開されるようなので活用したい。(複合業種(和歌山市))
 商店街にあった肉屋の2店舗が閉店及び縮小して大変困っている。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 組合員の業況では、今夏場猛暑による水温等の上昇で、一般家庭のガス使用量が減り売り上げは減少した。逆に業務用でGHP(ガス空調)を導入している先では、大幅に使用量が増えトータルでの売上は増加した。一方、ガスの仕入価格の高騰が依然継続しており利益は減少した。組合員の資金繰りが悪化しているため、必要な設備投資等は組合で業界専門のリース会社を紹介している。(ガス業)
 9月は、前年同月に比べて120%~210%の売上になっており、コロナ前に比べては50%~90%程度の状況です。全国旅行支援(わかやまリフレッシュプランSワイド)が10月11日から始まるため、全国から観光客、更にはインバウンドも来県されると思われるので、業況の回復に期待している。コロナ関連融資の返済が始まっている。今のところ順調に返済できているが、この先業績が回復しなかったら返済できるのか不安が残る。利息のある融資を受けている施設では、借り換えとなり利息が高くなるので困っている。(宿泊業)
 9月の対前年同月比の宿泊人員は156.4%、総売上高150.5%、1人当り消費単価96.2%、総宿泊料金180.1%、1人当宿泊単価115.2%だった。2022年1月~9月の宿泊人員は608,697人で、前年同期間(2021年1月~9月)と比べると192,692人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 9月に入りコロナ感染者の減少により客足が戻りつつあり売上も増収となっている。特に、昼のランチ営業の店舗は回復している。しかし、団体客が少なく利益には繋がっていない。更に、電気・ガス・材料価格の高騰により利益率が減少している中、価格転嫁もできず苦しい状況。(飲食店)
 8月の保有台数と前年度増減数は、登録車328,844台(-2,880台)、軽自動車417,979台(+830台)、車検台数は、登録車13,984台(-235台)、軽自動車13,758台(-247台)となっており、登録車と軽自動車合計の保有台数、車検台数とも減少している。依然として半導体の供給不足で新車の納期の遅れは変わっていない。(自動車整備業)
 原油を含めた物価高騰は今後も続くと予測され、自動車整備業でも適正な利益を確保するための価格転嫁が重要となってくる。(自動車車体整備業)

建設業

 当組合9月の県工事受注額は前年同月比50%強の減となっている。上半期の受注額は前年度比40%の減となったが、前年度が突出していたための結果であり、直近10年平均を上回っている。(総合工事業)
 公共工事の受注高は引き続き減少傾向。10月より生コン単価が大幅に値上げされる予定で収益状況は悪化する可能性が大きい。(総合工事業)
 各事業所とも新規見積依頼が減少傾向にある様相。組合員に繁閑差がでており取引先の建設会社の影響によると思われる。工事があっても円安の影響で仕入れ単価が著しく値上がり、一年前との比較で材料費は60%以上の値上がりで純利益率が格段に落ち込んでいる。ある程度値上げすると顧客の需要が伸びず年末まで悩みの種となりそう。三月春頃までは改善する気配がないように感じている。(識別工事業(設備工事業を除く))
 現状変わりはないが、材料価格の高騰だけでなく全ての物価上昇等が後々になって影響してくるであろう事が懸念される。(設備工事業)

運輸業

 燃料価格は国の補助もあり上げ幅は抑えられているが、高止まりの状況が続く。様々な商品が値上げされているが、運送業での運賃価格への転嫁は進んでいない。運賃改定交渉が厳しい中、燃油費ほか車両部品等は値上げが進み、さらに物流量は伸び悩んでいる中、当業界の事業者は非常に厳しい経営状況を余儀なくされている。(道路貨物運送業)
 軽油の価格が高値で推移しているので利益率は下がっている。しかし、最近の値上げモードで取引価格が好転しているところが見られる。また、有田地域では温州ミカンの時期が9月下旬から始まっているので、これからが組合員事業者の繁忙期である。(道路貨物運送業)