【2023年7月分】景況調査

【2023年7月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-7.5-22.5-2.5-22.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 原料在庫は十分あり、繁忙期らしい動きはみられるが、通販・業務用の販売は横ばいである。また、観光地の土産品は地域差はあるもののほぼコロナ前に戻りつつあるが、ギフトは全体的には余り伸びず、量販は安い商品が多く扱われている。(食料品製造業)

繊維工業

 生地の入荷遅れやプリント上がりの遅れ等により、締めには入れず売上高が減少している。また、仕入値の上昇や少子化の加速の影響が出そう。(繊維工業)
 7月の売上は前年同月と比較してほぼ同額であった。大変暑い日が続き秋冬物の発注タイミングが例年よりも遅れているように感じる。また、販売店では物価高の影響で販売予測が立てにくいのではないかと思われる。(繊維工業)

木材・木製品

 プレカットの7月の受注は前月から回復し、ほぼ前年並みの水準に回復してきている。ただ、プレカット工場の手ごたえは乏しい。7月以降も安定的に仕事があるとみているところは少なく、先行きには不透明感がある。何よりも、施主の住宅購買意欲が減退していると見ているプレカット工場が多く、電気代など諸物価上昇で住宅取得へのニーズが落ち込んでいる模様。また、施主の動きはあるが、契約には慎重になり、決定には時間がかかっているとのこと。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 原材料価格の高騰などにより販売価格は上昇しているが、売上高は極端に減少した。先日、関西圏の同業者の会議では和歌山へ発注する仕事量が存在せず、できるだけ自社で対応しているとの報告を受けた。全体的に低迷状態である。(家具・装備品製造業)
 原木は変わらず横ばいの状況だが、製材業・プレカット事業は微増であった。(家具・装備品製造業)
 例年は閑散期にあたる7月だが今年は好調で、全年同月比2倍程度の売り上げとなった。全国的に店舗系、施設系の物件が活発のようで、人手がそちらに取られている影響によるのか住宅リフォーム関連に動きがある。しかし、秋にかけては不透明さがあり予測は出来ていない。今言われているコロナ融資返済についての問題は当組合では聞かないが、その他の問題としては、長期的な見通しができていないこと、業界の利益率が悪いことに起因する人手不足と低賃金があげられる。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 想定以上に中国の景気は悪いと思われるが、前年同月比においては出荷量は微減、出荷額は増となっている。有機フッ素化合物「PFAS」の使用に対する規制が今後、業界にとって大きな問題となることが予想される。(化学工業)

窯業・土石製品

 出荷量は前年割れが続いているが、前年は特需の影響で需要が伸びていた地域がほとんどであった。しかし、ここ10年ほどは、毎年10%程度需要が減り続けている。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月比で、約15.5%の売上減少となった。海外・国内ともに需要減である。(金属製品製造業)
 業種にもよるが全体として、売上高は増えてきている傾向であり、また部材調達についても回復傾向である。ただし、エネルギー価格上昇、資材価格の上昇等により、まだまだ利益幅としては苦しい状況である。(金属製品製造業)

その他の製造業

 注文数・ロット数が減少し、売上が伸びず厳しい状況である。(なめし皮・同製品・毛皮製造業) 産業廃棄物となる塗料カスの廃棄代が高額になり、かなりの負担となっている。また、原材料不足と価格高騰により、安定した商品供給が行えなくなっている。(その他の製造業)
 前年同月比の売上は減少したが、前月からは増加となった企業が多かった。また、為替の影響が大きく、円安に敏感に反応している。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 業況においては、昨年と変化はなく低い水準となっている。商品供給問題は6月と変わりなく一部商品の供給が遅れている。6月以降にコロナ陽性者が職場で増えて来ており業務に支障が出ている事業者がある。会社や地域のイベント関係も通常通り開催されており、観光客も戻りつつあり、経済状況は今後好転しそうだが、人手不足は解消されておらず、人材の確保が課題となっている。(機械器具卸売業)

小売業

 政府の燃料油価格激変緩和対策事業の出口戦略が本格的スタートして2ヶ月が経過し、SS店頭のガソリン価格なども徐々に値上がりが進んでいる。ただ、価格競争が激化している地域ではコスト転嫁が十分進んでいるとはいいがたい。人件費、電気代などのコストアップ要因がある中で県内SSは、苦戦を強いられている。(その他の小売業)
 一年前と比べて製品価格の上昇が目立つ。売れるから上がっている訳ではなく、原材料価格や輸送費の上昇、円安に加え、いよいよ賃金の上昇も来たかという感がある。(その他の小売業)

商店街

 7月中旬以降の猛暑による熱中症警戒アラートの発令が、来街者の減少に影響している。夏の賞与が出る時期ではあるが、消費意欲が上昇しているとは感じられない。営業に欠かせない空調費などの電気代を含む固定費の上昇が今後は危惧される。今後も大幅な来街者の増加は期待できないため、組合員はそれぞれの強みで顧客に付加価値を提供し、選ばれる商店・行きたくなる商店を模索していると考えられ、組合は、努力を続ける組合員に対しどのような後押しができるのか考えなければならない。(複合業種(和歌山市))
 販売価格の値上がり分少しだけ売上が増加したが、8月も値上げ品があり、今後の売れ行きが心配される。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 プロパンガスの仕入価格の下落、販売価格の上昇により収益は改善されてきたが、コロナが第5類となりコロナ禍より在宅率が減ってきているので、売上は減少している。今後経済が好転しガス器具販売の売上増加に繋げられるよう取り組んでいる。和歌山県でも顧客数の多い組合員が、大手に営業譲渡をした。経営状態が良い組合員でも高齢化および後継者不足で先が見通せない状況が続いている。(ガス業)
 7月の売上は対前年比85~110%の状況。コロナ前の水準には戻ってきており8月の予約状況は順調である。また、インバウンドについては、個人旅行を中心にかなり増えてきている。(宿泊業)
 7月の対前年同月比の宿泊人員は113.1%、総売上高115.1%、1人当り消費単価101.8%、総宿泊料金116.9%、1人当宿泊単価103.4%、だった。2023年1月から7月の宿泊人員は521,336人で、前年同期間(2022年1月から7月)と比べると108,566人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナ感染症の影響が少なくなり、売上及び客数は、昨年より増加したが、コロナ禍以前に比べ、特に7月のボーナス時は、思ったほど増加していない。特に、本県の外食やインバウンドの回復は全国的に低いと思われ、一部観光地では、国内旅行の増加により、売上及び客数も昨年より増加しているが、飲食業関係はそれほどではない。一方、原材料費の高騰により、収益は横ばいとなっている。外食や飲み会の機会も増え、予約も伸びているが、二次会等のスナックやクラブ等は相変わらず少しは戻ってきていても厳しい状況。雇用についても、従業員の不足と賃金の上昇により苦慮している。また、後継者がいない店舗や人手不足のため、廃業する店舗が増加している。コロナ特別貸付けが令和5年9月まで延長されたので、少しは資金繰りが良くなっているが、未だコロナ禍の影響もあり、新規創業資金及び運営資金等の借り入れが増加していない。既存店はコロナ融資の元金返済が始まり、借り換えなど返済に苦慮している。(飲食店)
 現状大きな変化はないが、ニュースにもなっている大手中古車販売店の不正の影響が自動車整備業界全体に及ぶのではと役員会でも懸念されている。金融状況に特に変わりないが、地域というより業界全体の問題点として、人員不足になっている組合員が多いのが現状である。(自動車整備業)
 特定整備認証取得の重要性を組合員に啓蒙しなければならないため、教育事業を推進していく予定。(自動車車体整備業)

建設業

 当組合、令和5年7月の県工事受注額は今年度になり初めて前年度並みとなった。県工事の発注は回復傾向にあるが4月~7月累計では20%減となっている。(総合工事業)
 公共工事の受注高は先月に引き続き増加している。ただ、業者間の格差が拡大傾向にあり、手持ち工事の無い業者が増加傾向にある。この先発注量が減少した場合の下請け工事の確保が懸念される。(総合工事業)
 先月から比べると全体の七割程度の業者が売上の減少傾向に入っている。需要と供給のバランスが曖昧で、工事を与える建築主の言いなりになっている状況。物価上昇に反映されて安いところに工事が集まっている状況で、全体的に先行き不透明感は拭えない。(職別工事業(設備工事業を除く))
 猛暑が続きクーラーの取り付けが間に合わなかったり、大雨の被害で設備等の改修・修繕も多いようで、全体的な景況感は持ち直しているようである。しかし、根本的な雇用に関する問題は横ばい状態である。(設備工事業)

運輸業

 2024年問題の前に、燃料油価格激変緩和措置(ガソリン補助金)の9月末終了に向けて補助上限額が段階的に引き下げられている影響が非常に大きい。7月は前月より約4円アップで、円以下の単位で仕入れ先との交渉に腐心している状況下で一挙に4円アップでは、対応が追いつかない。日々確実に消費する軽油が急激に高騰していくため、間違いなく支出増となり資金繰りは厳しい。(道路貨物運送業)
 7月も地域内の荷動きが少なく、県外事業者からの傭車依頼に対応している事業者もある。また、燃料価格の高騰がとまらず収益率の低下に拍車をかけている。(道路貨物運送業)