【2023年10月分】景況調査
【2023年10月分】前年同月比の景気動向
増加・好転 不変 減少・悪化
業種 | 売上高 | 収益状況 | 資金繰り | 業界景況 | |
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製造業 | 食料品 | ||||
繊維工業 | |||||
木材・木製品 | |||||
印刷 | |||||
化学・ゴム | |||||
窯業・土石製品 | |||||
鉄鋼・金属 | |||||
その他 | |||||
非製造業 | 卸売業 | ||||
小売業 | |||||
商店街 | |||||
サービス業 | |||||
建設業 | |||||
運輸業 | |||||
DI値 | -10.0 | -32.5 | -12.5 | -30.0 |
(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)
製造業
食料品
賃上げが激しく中小企業者には厳しい。売値の最低基準のようなものを定めるなどして、利益を確保し賃金に反映したい。金利政策はこれでいいのかと思う、金利も上昇させないと、賃金値上げもしにくい。(食料品製造業)
大手量販の販売は堅調で、梅干し原料は十分にある。(食料品製造業)
繊維工業
組合内外の同業者の受注状況が悪化傾向で、生産予定数が減りつつあり業界全体が様子見状態である。インフレ圧力やインボイス制度の影響が少し出てきた。(繊維工業)
10月の売上は前年同月比でかなり増加した。遅れていた秋冬物の注文がようやく入るようになってきた。しかし、全般的な動きではなくて、企画販売を計画している販売店からが主で、販売業界全体としては景気の先行きを慎重に見ているように感じる。未だに原料価格が安定せず、種類によってはさらに値上がりしている物もある。中小零細の製造業としてはどんどん注文を取りたいが、原料価格を確認しながらの判断になるので、商談も慎重に進めているような状況。(繊維工業)
木材・木製品
プレカット工場の10月稼働平均は97%、前年比105%でやや回復基調、ただ、プレカット工場により手応えに格差もある様子。回復の兆しが見えるところとその兆しさえないところがある。また、今年は回復基調も11月までで年末は例年のような駆け込み需要は少ないとの予想が大半。大方は加工需要の先細りを予想して最低限の必要量を確保するのみ。例外は中国木材鹿島工場火災により、米松製品が今後不足する見込みで確保に走る工場が出そう。電気代や人件費の高騰など加工コストは引き続き上昇傾向にある。(木材・木製品製造業(家具を除く))
原材料不足、原材料価格の高騰及び人員不足などの影響下、和歌山の建具業界は着工数が低下している関西圏を中心とした製造を行っているため、依然として低迷状態にある。当業界において働き手不足の原因はものづくりへの魅力、世間並みの賃金、働く環境などが整備されていないことであると考えられ、当業界を再生する必要性を感じる。(家具・装備品製造業)
製材業横ばい、プレカットの生産加工量は増加、新規受注は増加、県内の原木市の単価は横ばいの状況にある。(木材・木製品製造業(家具を除く))
10月の業況としてはコロナ禍の昨年に比べ好転しているよう。今動いているのは京阪神でのホテル、飲食店の新装や改装、クリニックの改装等で、年末まで完了の物件がほとんどである。どれも短納期で飛び入りの依頼が多く、大阪方面の従来の依頼工場が結構手一杯になっていると思われる。一方、年明けについてはまだ予想できていない。木工でも業種により業況は様々なようで、特に薄利で量産のところは引き続き厳しいよう。(家具・装備品製造業)
化学・ゴム
円安等で原料コストが上がってきているのに、その分を製品価格に上乗せするのが困難な状況である。イスラエルとハマスの戦争がどういう影響を与えるのかも不安である。(化学工業)
窯業・土石製品
前年比10%程度の出荷減が続いている。下期も厳しい状況となる。(セメント・同製品製造業)
鉄鋼・金属
売上高は前年同月比で約8%の減少となった。(金属製品製造業)
原材料の高騰は落ち着き傾向ではある。人手不足は長引いており、一部企業ではあるが外国人労働者の採用を検討し始めているところがある。今後ますます厳しくなってくると思われるので本腰を入れていく必要がある。(金属製品製造業)
その他の製造業
依然として動きが鈍い。サンプル用の小ロットの引き合いはあるものの、継続性が見られず厳しい状況が当分続きそう。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
現年前月比の売上高は増加した。秋物や冬季に備えた商品の流通が増加している。しかし、引き続き不安定な為替のため収益状況は悪い。インボイス対応出来ていない取引先もあるよう。(その他の製造業)
非製造業
卸売業
売上高の増加については官公庁建築現場の材料の納入が多くなっているためで、年度末にかけても同じ状況が続く見込み。製造業での経営統合や効率化による生産ライン減少により、受注量が過大になると生産が追い付かず商品供給に問題が生じる。一時的に改善していたが、10月に入り一部の建築材料の供給に問題が発生、今後もこのような事が繰り返される予測である。卸業の人手不足は解消されておらず、人材の確保が課題。転職サイトなど転職への抵抗感も無くなり、自身の価値観や仕事観、人生観を優先する優秀で若い人材が退職する傾向がある。(機械器具卸売業)
小売業
10月にエネオス和歌山製油所の精製機能停止や政府の燃料油価格激変緩和対策事業の補助金が来春まで延長されたとはいえ、県下の過度な廉売競争が県内のSSの収益を圧迫する懸念がある。引き続き適正マージンの確保、採算経営が求められている。このような中、資源エネルギー庁と公正取引委員会は、連名で文書を発出し、ガソリン不当廉売ガイドラインの順守を要求した。11月16日に精油増税反対総決起大会が予定されている。「石油諸税」の軽減と災害時における「石油サプライチェーンの維持強化」を求めていく。(その他の小売業)
メーカー各社はさみだれ式に値上げの傾向にある。組合主催の共同仕入会を開催したところ、組合員の反応は極めて乏しく積極的な仕入れの意欲は感じられなかった。(その他の小売業)
商店街
暑さが収まり、来街者がやや増加したように感じる。後半は気温の低下に伴い、冬物衣料や季節商品が動き始めた。しかし、食料品や光熱費の負担増があり、その勢いは弱含みである。今まで止まっていた空店舗の状況が動きだした。新店舗はカフェ・バーとのことで、近隣商店街の社会実験などの影響で良い効果がさらに続けばと考えている。(複合業種(和歌山市))
まだ多少の品目に値上げ品があるため、売上の自然増加があった。(複合業種(和歌山市))
サービス業
円安、ウクライナ・中東の紛争でガスの仕入れ価格は上昇傾向にある。消費者に対する和歌山県の支援が10月で終了。和歌山県下合同でLPガス協会各支部での「衣類乾燥機・モニターキャンペーン」を継続し、プラスアルファで給湯暖房機等を積極的に売り込んでいる。(ガス業)
昨年は全国旅行支援の好影響で順調だったが、10月の売上は対前年同月比20~30%のダウンとなった。コロナ前に比べると80~100%超の状況。コンスタントに戻りつつあり、インバウンドについても増えてきているが、人手不足は相変わらず。(宿泊業)
10月の対前年同月比の宿泊人員は102.0%、総売上高109.5%、1人当り消費単価107.4%、総宿泊料金109.4%、1人当宿泊単価107.3%であった。2023年1月から9月の宿泊人員は802,101人で、前年同期間(2022年1月から10月)と比べると118,880人の増加である。また、本年4月と10月に1施設ずつ新規の組合加入があった。(白浜温泉旅館協同組合)
コロナ感染症の影響が少なくなり、売上及び客数は昨年より増加しているが、コロナ禍以前と比べると、まだまだ回復していない。現状は、料理店や居酒屋等は8割程度で、相変わらず二次会等が回復せず、スナックやクラブ等の1/3程度は厳しい状況。温泉・観光地の飲食店は賑わっており、売上及び客数も昨年より増加しているが、それ以外の飲食店はそれほどでもない。一方、原材料費の高騰や従業員の人手不足と賃金の上昇により収益は悪くなっている。徐々に、インバウンドによる外国人客は増加しているが、本県は全国に比べ来訪者の回復が遅いと思われる。また、人手不足や営業不振のため、廃業する店舗が増加している。徐々にコロナ禍の影響も薄れ、新規創業資金及び設備投資等の借り入れが回復基調にあると思われる。既存店はコロナ融資の元金返済が始まり、借り換え等返済に苦慮している。(飲食店)
若干ではあるが売上高が減少しているのは、大手中古車店の不正が少なからず影響していると考えられる。金融状況には特に変わりないが、地域というより業界全体の問題点として、人員不足になっている組合員が多いのが現状である。(自動車整備業)
物価高騰の影響もあり厳しい状況が続いているが、利益を確保するためには、技術面だけではなく、コンプライアンスの観点からも工場の資格取得が必要である。(自動車車体整備業)
建設業
当組合地域の令和5年10月の県工事受注額は令和5年災害復旧工事の受注があり、前年同月より多くなったが、災害工事を除いた今後は不透明である。(総合工事業)
公共工事の受注状況は国・県・市町村工事全ての発注機関で減少となった。働き手不足の中で建設業においても来年4月から時間外労働規制が適用され、その対応に苦慮している。(総合工事業)
9月に引き続き10月も余りよい情報は得られなかった。約30年も物価上昇、賃金水準が変わらなかった状況で、急に上げろ上げようといっても無理な話である。今後半年間はこのような状態が続くと誰もが口をそろえて言っている。行政による改善を期待するばかりである。(職別工事業(設備工事業を除く))
大きな変化はなかった。インボイス制度が10月から始まり、未だ現場の声は聞こえてこないが、一人親方や免税事業者の今後はどうなるか?暫く様子を見ていく。(設備工事業)
運輸業
燃料油価格激変緩和措置が延長されるとともに、軽油価格は前月から10円/ℓ程度の下げとなり、また前年同期の価格にも近づいた。このまま価格は高値安定傾向と思われる。今まで上昇してきた燃料費等の運賃転嫁を進めることと、それを原資に労働条件を向上させてドライバーを確保することが喫緊の課題である。売上アップ以上にコストが上がり、資金繰りは厳しい状況に変わりない。(道路貨物運送業)
地域内での景況感がよくなってきていると思われる。ミカンの極早生種の出荷も始まるなかで、これから本格的な秋に向かって稼働率があがる見込み。(道路貨物運送業)