【2023年11月分】景況調査
【2023年11月分】前年同月比の景気動向
増加・好転 不変 減少・悪化
業種 | 売上高 | 収益状況 | 資金繰り | 業界景況 | |
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製造業 | 食料品 | ||||
繊維工業 | |||||
木材・木製品 | |||||
印刷 | |||||
化学・ゴム | |||||
窯業・土石製品 | |||||
鉄鋼・金属 | |||||
その他 | |||||
非製造業 | 卸売業 | ||||
小売業 | |||||
商店街 | |||||
サービス業 | |||||
建設業 | |||||
運輸業 | |||||
DI値 | -2.5 | -17.5 | -7.5 | -35.0 |
(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)
製造業
食料品
人手不足、原材料費、光熱費、輸送費、物価高などの問題に政府はしかとした対策を行うべきだと思います。(食料品製造業)
製造、販売とも繁忙期なりの仕事は行えている。販売は、年内の配達が前倒しになっている傾向があり、商品の出荷が早まっている印象である。(食料品製造業)
繊維工業
物価高や賃金アップなどに対して、政府が推し進める製造の機械化や事務のIT化などについていけない事業者が増えてきている。現在の物価高は、原材料価格の高騰によるもので、企業の利益や賃金アップが含まれていないので、適正なインフレにならないと思われる。(繊維工業)
例年通りの閑散期ではあるが、昨年より問合せは増えている。ただし、暖冬によって今期の冬物に売れ残りが発生するようなら、来期の動きにも影響が出そうで心配している。(繊維工業)
11月の売上は前年同月と比較してかなり減少した。販売先形態や商品の種類ではなくて、市場全般の動きが低迷しているようである。(繊維工業)
木材・木製品
プレカット工場の11月の受注平均は91.5%と10月の回復基調から再び下落傾向で、今年度末まで受注は低迷するとの見方が多い。来年4月以降も好材料は見いだせず、住宅不調は長引く可能性も拭えない。特に戸建て住宅の活気のなさが不振の背景にあり、ほとんどの地域で注文や分譲にかかわらず受注が伸びていない。年内だけでなく年単位でも改善の見込みは厳しいとの指摘。来年の好材料はほぼないとの声が多いが、4号特例見直しに関連して構造計算の対応力が問われてくると好材料になると指摘する工場もある。(木材・木製品製造業(家具を除く))
依然として、原材料不足、原材料価格の高騰及び人員不足など取り巻く状況に変化はなく、建具業界は低迷状態にある。その主たる原因として、建築業界において、当業界と同じように原材料不足、原材料価格の高騰及び人員不足などに起因する着工に対する手控えが大きく影響していると思われる。(家具・装備品製造業)
製材業は少し売上増加、プレカットの生産加工量は増加、県内の原木市の単価は横ばい状態であった。(木材・木製品製造業(家具を除く))
11月の業況として、前年比は単月では変わらず。年末に向けてやや先細りの雰囲気だが、提出済みの見積も多くあり一時的な落ち込みと考えている。材の値上がりは、ここ4ヶ月程度高止まりかやや下降となっているが、塗料に関しては12月より1.3倍~1.5倍の値上げとなり懸念されている。(家具・装備品製造業)
化学・ゴム
米国の金利状況、中国の景気、ウクライナ侵攻に加え、イスラエルとハマスの抗争が始まり、不安定な状態となってきた。(化学工業)
窯業・土石製品
県中部の出荷の減少が著しい。今後の高速道路関係の需要に期待する。(セメント・同製品製造業)
鉄鋼・金属
売上高は、前年同月比で約18%のダウンとなった。国内の需要が伸び悩んでいるように感じる。(金属製品製造業)
全体として、受注増、売上増がみられる。景況感も穏やかに改善していると思われるが、依然として、国際情勢の影響が大きく今後の海外経済の動きに期待したい。(金属製品製造業)
その他の製造業
先月に続いて厳しい状況が続いている。来年の夏・秋物の注文が出る時期で有るが、動きが鈍く、当面はこの状態が続きそうである。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
EC業界の市況は悪化、原材料・賃金の上昇により商品単価が上がり、売れづらい状況が続いている。(その他の製造業)
現年前月比の売上高は増加した。例年に比べて上がり幅は少ないものの、年末商戦を控えた商品の流通は増加した。(その他の製造業)
非製造業
卸売業
売上高の増加については、官公庁建築現場の材料の納入が多くなっているためで、今後年度末にかけても同じ状況が続く見込みである。また、資材の高騰も要因である。10月同様、過去からの製造業での経営の統合や効率化で生産ラインが減少しており、受注量が過大になると生産が追い付かず商品供給に問題が生じている。11月中旬に入り建築材料の供給に問題が発生し大きな影響が出てきており、年度末まで改善しない予測もある。県下の民間事業者からの照明や空調など省エネ機器への更新の問い合わせは増えているが、地方自治体の独自の補助金が他府県よりも少ないのが現状である。(機械器具卸売業)
小売業
県内では、ガソリン補助金の終了に向け価格が上昇傾向にあったが、8月末の延長決定でガソリン価格は下落傾向であった。和歌山市のセルフ市況は依然安値から変動はなく、SSの収益改善の面から早期の市況改善が求められる。また、ガソリンに課されている揮発油税などのトリガー条項凍結解除をめぐる協議についての動向が注目される。令和5年度近畿府県合同防災訓練となる総合防災訓練に参加し、県の移動式給油所「どこでもスタンド」に組合員の所有するローリーと直結し、近畿各府県から集結した緊急消防援助隊の車両に軽油を給油した。また、橋本市でも災害時対応実地訓練を実施し、災害が起こった際の停電時に備え、自家発電機を稼働し緊急車両に給油する訓練を行った。(その他の小売業)
商店街
賃金の上昇が物価の上昇に追い付いていない状況下、消費者のマインドは低調で、今期の冬季賞与に期待するところだが、歳暮などの社交儀礼の売上は年々減少傾向にあり、自分へのご褒美としての購買が慣習化しつつあるので、それをうまく使った商品構成や宣伝が重要ではないかと考える。新たに商店街に出店した若手をコアメンバーに「ぶらくり倶楽部」という名称で活動を始めた。まだ具体的な事業の構築までは進んでいないが、ブレストを重ね、まとめてゆきたいと考えている。近隣の商店街に負けないようメンバー全員張り切っている。(複合業種(和歌山市))
悪天候も少なく売上の減少はなかったが、今後も減少傾向は続くと思われる。(複合業種(和歌山市))
サービス業
これからの冬場のガス需要期に向けてガスの仕入価格下落が望まれるが、ロシア・中東の情勢、ENEOS和歌山の閉鎖に伴う配送運賃の上昇等先行きは暗い傾向にある。経済産業省やエルピーガス振興センター等の補助金を利用しての積極的な設備投資が業界内で進んでいる。(ガス業)
11月は前年同月比90~110%でコロナ前に戻ってきている状況。ただし価格の値上げにより、多少の宿泊客減でも総合的には同等以上になっている施設もある。また、白浜や高野山地域でのインバウンドについても増えてきている。(宿泊業)
11月の対前年同月比の宿泊人員は102.9%、総売上高115.7%、1人当り消費単価112.4%、総宿泊料金103.4%、1人当宿泊単価100.4%であった。2023年1月から11月の宿泊人員は884,366人で、前年同期間(2022年1月から11月)と比べると121,234人の増加である。(宿泊業)
コロナ感染症の影響が少なくなり、売上及び客数は、昨年より増加しているが、コロナ禍以前と比べ、まだまだ回復の途中である。現状は、料理店、居酒屋等は売り上げが8割程度だが、相変わらず2次会等が回復せず、スナックやクラブ等はやや戻りつつあるが厳しい状況である。温泉・観光地の飲食店は旅行客等により賑わっており、売上及び客数も昨年より増加しているが、それ以外の飲食店はそれ程ではない。一方、原材料価格の高騰や従業員の人手不足と賃金の上昇により、収益は横ばいとなっている。インバウンドによる売上は増加しているが、全国に比べ回復は遅いと感じる。徐々にコロナ禍の影響も薄れ、新規創業資金及び設備投資等の借り入れが回復基調にあるようだが、既存店は、コロナ融資の元金返済が始まり、借り換え等、返済に苦慮している。(飲食店)
新車の納期が緩和されたことにより、中古車の売上高が減少している模様である。金融状況は特に変わりないが、地域と言うより業界全体の問題点として、人員不足になっている事業所が多いのが現状である。(自動車整備業)
自動車取外し部品の処理費用等の有償化啓発ポスターを制作、組合員事業所に掲示するなど周知を図っていく。(自動車車体整備業)
建設業
令和5年11月の県工事受注額は前年同月程度であり、4月~11月までの受注額も前年度程度を確保している。県工事では今後の補正予算による発注に期待したい。(総合工事業)
公共工事の受注状況は国発注工事で減少、県・市町村工事では微増であった。依然として働き手不足は深刻で、外国人労働者の雇用を検討される業者も増えてきた。(総合工事業)
11月も少しは期待していたが、やはり良い情報は得られなかった。木造建築の需要が落ち込んでおり、物価上昇に伴いリフォームプランも次期延長の兆しが見える。このままだと本当に賃金水準上昇できるのか、小規模事業者には問題外かもしれない。このまま12月も見守るばかりである。(職別工事業(設備工事業を除く))
全体の景気を見れば、観光業や地域イベント等が活発となり、それに付随し工事の発注も増加傾向となっている。しかし、仕入れ単価は相変わらず高騰しており好転とは言えない状況である。(設備工事業)
運輸業
燃料油価格激変緩和措置が延長され、軽油価格は高値となっているが影響は少ない。燃料代・賃金・車両代(タイヤ等部品代・修繕費含む)の高騰に対して運賃転嫁は進んでいるとは言えず、加えて景気減速に伴い物流が減少しており、厳しい環境下である。12月は年末需要による売り上げ増を期待する。冬のボーナスなど年末は資金需要が多く、資金繰りは厳しい。(道路貨物運送業)
有田地域では温州ミカンの出荷時期をむかえ、本地域の繁忙期到来である。軽油価格は高値であるが、昨年のように品薄状態になることは今のところない。(道路貨物運送業)