【2024年4月分】景況調査
【2024年4月分】前年同月比の景気動向
増加・好転 不変 減少・悪化
業種 | 売上高 | 収益状況 | 資金繰り | 業界景況 | |
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製造業 | 食料品 | ||||
繊維工業 | |||||
木材・木製品 | |||||
印刷 | |||||
化学・ゴム | |||||
窯業・土石製品 | |||||
鉄鋼・金属 | |||||
その他 | |||||
非製造業 | 卸売業 | ||||
小売業 | |||||
商店街 | |||||
サービス業 | |||||
建設業 | |||||
運輸業 | |||||
DI値 | -10.0 | -17.5 | -17.5 | -22.5 |
(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)
製造業
食料品
2024問題については、あまり影響はないが、ゴールデンウィークを控えて発注・受注が、前年に比べて前倒しになっている。(食料品製造業)
販売状況は昨年同期並みである。梅の作柄が芳しくないことが予想されるため原料在庫の動きが注視される。(食料品製造業)
繊維工業
人件費、物価、材料費高騰により、円安にも関わらず海外生産(ベトナム、中国等)が増加している様子である。円安で海外生産が高くなる分、国内生産分を値切ってくる傾向があるとの会員企業の声も聞かれる。(繊維工業)
4月の売上も引き続き減少が続いている。得意先からの注文も減少しているが、製造経費の上昇分を商品の販売価格に転嫁しきれていないので、この先売上額がアップしても利益にはつながらない可能性が大きい。今後、人件費をアップさせていかなくてはならないが、業種や企業規模により経費の価格転嫁が非常に厳しい課題となっている。つまり商品の最終消費者が今後の商品の値上がりに納得してついてきてくれるかどうか、継続して商品を購入してくれるかどうか、これが最大の課題である。(繊維工業)
木材・木製品
1月~2月の最悪期は脱したが、期待のわりに4月以降も受注量の改善はあまり見られない。実需不足が決定的であり、戸建て住宅の加工が伸びず、また床面積の減少で加工坪数の落ち込みが見られるため、工場としての手ごたえが感じられない様子。同業他社との受注獲得競争もあり、加工坪数を確保しようとすると加工単価に影響するため、安売り競争には一定の距離を置く工場もある。4月の稼働率は、90%と3月に比べると若干の増加が見られるが、持ち家に加え戸建て分譲住宅も低調で、アパートは季節的にも新規着工は少ない模様。5月の大型連休もあり、稼働率は再び低下することが予想される。各工場が関心を示す欧州産集成材の供給も、フィンランドのストの影響もあり入荷が絞られ、国内メーカーの在庫も少なく先高観が強い。(木材・木製品製造業(家具を除く))
年度末を過ぎても、依然として低迷状態が継続している。このような状況下、操業度の低下、人手不足及び高齢化による後継者不在の事業所については廃業及び撤退がじわりじわりと増加している。その中でも人手不足を解決するために、外国人に労働力を求めようとしても他業界との賃金を比較されると受け入れてもらえない状況にある。魅力ある業界作りが急務と考える。(家具・装備品製造業)
製材業は横ばいである。プレカットの生産加工量は少し増加、県内の原木市の単価は横ばいであった。(家具・装備品製造業)
3月の受注増もピークを過ぎやや落ち着いてきており、5月ゴールデンウィーク前後は例年通り小休止となりそうである。またインバウンドを見込んだ商業施設の改装工事に伴う家具工事はしばらく継続の見込みである。また内外の政治と為替が読めず、人材難や賃金アップの問題が不安要素である。(家具・装備品製造業)
化学・ゴム
為替が円安方向に向いているので、原材料や燃料の価格への影響が懸念される。(化学工業)
窯業・土石製品
例年年度のはじめは出荷量が少なくなる傾向がある。昨年度から引き続き依然として前年比割れである。(セメント・同製品製造業)
鉄鋼・金属
売上高は前年同月比でほぼ変わりはないが、先行きはまだ不透明である。(金属製品製造業)
全体的に状況は大きく変わりがないが、少しずつ生産量は増えてきている状況である。材料については落ち着いてきているが、一部価格アップの物があり厳しいところもある。また人手不足の状態は続いている。(金属製品製造業)
その他の製造業
4月中旬頃より徐々にではあるが、注文引き合いが出始めた。長く続くよう期待している。コロナ解放から1年でようやく動きが出てきたように感じる。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
現年の対前月比売上高(3月→4月)は増加、回復が見られない円安、並びにコストプッシュの影響で景況は相変わらず悪い。収益状況については、企業により好転・不変・悪化と状況が分かれた。(その他の製造業)
非製造業
卸売業
和歌山県内の業況においては、変化はなく低い水準となっている。新年度が始まり、運送業、建設業における2024年問題における影響が今後出てくる。商社にとって物流への影響は避けて通れず、顧客への説明と理解を得られるように進めていく。大阪府等では補助金による省エネ設備更新の事業が出ているが、和歌山県においては限定的で、地方による格差が広がる懸念がある。(機械器具卸売業)
小売業
灯油の販売について、2月は振るわなかったが、3月は寒の戻りがあり、需要が意外と伸びた。しかしながら店によってはばらつきがあり、2月の悪さを3月で取り戻せた。一方、それまでのマイナスを補う数量ではなかったなどの声がある。適正価格を維持し、物価上昇分を超える賃上げ実現に向けて、組合の採算販売による収益向上と経営の安定化を進める必要がある。和歌山市内のセルフ市況の改善が進まない。ガソリン価格が、他府県と比べて安すぎる分収益を圧迫している。安値業者による廉売による価格競争が激化しており、適正マージンを確保できる市場の構築が急務である。(その他の小売業)
金の価格が歴史的に見ても高い状況である。当然製品の価格も上がっているが、そのこと自体が金製品への興味を持つきっかけになるようで、一部には金製品を身につけようとネックレスなどを購入されるケースが見られる。(その他の小売業)
商店街
急激な為替変動が原因と思われるが、仕入れ価格の上昇が止まらない。物流にかかるコストの上昇の可能性も考えられる。一方、販売価格への転嫁を行ったことによる売り上げの上昇は現れず、収益を圧迫している。消費者の可処分所得が増えているとは感じられず消費意欲は低調なままである。高額商品を扱う富裕層を対象にした店舗では、先月までは回復の傾向が見られたが、今月に入ってからの株価の低調な推移によりその勢いに陰りが見られる。(複合業種(和歌山市))
前年同月比では多少売上は減少したが、1月からの合計では、まだ少し増加している。天候に左右されるので好天が続くのを期待したい。(複合業種(和歌山市))
サービス業
輸入相場は落ち着いてきたが、円安の影響で仕入価格が上昇し収益率が悪化している。消費者に対する和歌山県のLPガス料金支援値引きが4月から8月まで実施予定である。(ガス業)
売上は対前年度比70%~130%である。ゴールデンウィークは、5月2,3,4,5日が好調で、インバウンドについては、特に高野山が多い。(宿泊業)
4月の対前年同月比の宿泊人員は106.3%、総売上高116.6%、1人当り消費単価109.7%、総宿泊料金108.6%、1人当宿泊単価102.2%、だった。2024年1月から4月の宿泊人員は308,588人で、前年同期間(2023年1月から4月)と比べると26,305人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
売上及び客数は、昨年より増加しており、一部業種を除き、ほぼ、コロナ禍以前に近づいている。しかしながらそろそろ頭打ちになってきている様に感じられる。現状は個人や友人・家族の飲み会だけでなく会社・団体の飲み会が増加している。特に、歓送迎会等の飲み会が増加している。しかしながら、店舗により売上の増加がまちまちである。
温泉・観光地の飲食店は旅行客やインバウンドによる外国人等により賑わっているが、地域により、ほとんど影響がないところもみられる。
一方で原材料の高騰が続き、従業員の人手不足と賃金の上昇により、収益は横ばいになっており、繁盛店は、料金への転嫁は進んでいる。
また、新規創業資金及び設備投資等の借り入れが減少しており、新規出店が大幅に減少している。既存店はコロナ融資の元金返済が始まり、返済に苦慮していると思われる。(飲食店)
業界全体の問題として人手不足が深刻となっており、雇用人員の増加が課題となっている。また、検査の不正により新車の供給が停止しているメーカーがあり販売が減少している。(自動車整備業)
事故車両をはじめとする整備作業について、消費者に対する車体整備の透明性を確保する為のガイドラインを組合員へ配布した。(自動車車体整備業)
建設業
令和6年4月の県工事受注額は前年同月比で半減している。次月に期待したい。(総合工事業)
公共工事の受注状況は、国発注工事は前年並み、県・市町村は減少している。働き方改革による労働時間短縮が建設業においても適用され益々人材の確保に苦慮している。(総合工事業)
4月も3月に比べてもさほど変わりはない。大半の業者様からやりくりが大変という声があがっている。先行きにまつわる工事見積は依然として物件はかなりの減少傾向である。資材の値上がりが噂されているが、連絡が今のところは無い。中小企業にとって働き方改革の実施はどういったものか、賃金の値上げ、週休二日制の導入など様々な問題を抱えているが、先行きは不透明感でいっぱいである。(職別工事業(設備工事業を除く))
新年度に入り、大きな変化はない。廃業や新規資格取得者の割合、少子化を考えると、益々人手不足が深刻化すると思われる。(設備工事業)
運輸業
2024年問題とされていた年度が始まったが、今のところ大きな変化は感じられない。荷主、業者とも様子見だと思われるが、運賃見直しについては一部を除いて進んでいない。業者間においても未だ低運賃を提示して売り込みを図る同業者もあり、危機的なドライバー不足となっていないのが現状。よって、人件費、車両購入・部品価格・修理費・燃料費などの高騰を運賃に転嫁できず経営環境・資金繰りはより厳しくなっている。(道路貨物運送業)
4月は稼働日数の少ない5月をひかえて、前倒しの受注並びに新年度の荷動きがあり受注量は増加している。(道路貨物運送業)