【2024年5月分】景況調査

【2024年5月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-12.5-22.5-17.5-37.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 今後の原料価格や光熱費等の上昇に神経質な状況である。(食料品製造業)
 販売状況は昨年比で少し低い。作柄が不作見込みで原料価格の上昇が予想される。(食料品製造業)

繊維工業

 特定の用途ではなく、全体的に下降気味の傾向となっている。(繊維工業)
 5月の売上も引き続き減少が続いている。令和5年度を振り返ると年末から年明けにかけて売上の減少が続いている。ロシアとウクライナの戦争が引き金になり、資材価格や原料費、光熱費等が高騰して中小零細企業が対策に追われている最中に、政府は景気の活性化を図る手段として、人件費のベースアップを打ち出しているが、中小零細企業にとっては製造経費等のさらなる増加につながり、結果的に国内景気の低迷につながっているように感じる。地域の零細企業や商店などでは、経営者の高齢化も進んでおり、今の資材原料価格の高騰と経費の増加を契機に閉店や廃業が増えている。(繊維工業)

木材・木製品

 5月のプレカット稼働率は4月に比べ9%程度低下するなど、住宅向けを筆頭に実需不足が続いている。目先の好材料を見つけにくく、今後もしばらくは不振が続くとの悲観的な見方が大半であり、こんなに暇なことはかつてないとの声も聞かれる。加工能力相当まで稼働している工場は見当たらず、加工枠を埋めるために安値受注に傾くと企業体力を奪われる状況である。前月同様に集合住宅向けの加工ニーズはある程度あるものの、戸建てでは地域間格差が大きい。また、倉庫等の非住宅物件で加工坪数を確保する動きもみられる。6月の見積もりではやや期待感もあるとの事だが、当面は小幅な受注増減を繰り返しながら、今年1年は盛り上がりに欠ける展開を覚悟しなければならない模様である。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 例年通りの閑散期になっている。原材料価格の高騰、人材不足などにより経営状況は疲弊しつつある。さらに、万博会場建設の影響下、また、金利の影響など住宅建築を取り巻く情勢が不利に働く現状では、一般的な住宅建築は置き去りにされていると思われる。そのような関係上、当業界も強く影響を受けていると思われる。(家具・装備品製造業)
 製材加工量は減少し、プレカットの生産加工量は横ばいである。また県内の原木市の単価も横ばいである。(家具・装備品製造業)
 ゴールデンウィーク明けより受注数が極端に下がっている。この時期は、例年閑散期だが昨年比1/2から2/3程度となった。これまでの見積件数から見て一時的なものとは思うが、不安感が拭いきれない。万博関連、周辺施設の工事等も動いている模様なのでしばらく様子見となっている。 資材価格はほぼ高止まり状態である。運賃、荷揚げの外注工賃等であらかじめ価格表がある物を中心に値上げが続いている。我々相見積もりで落札している業者でも賃金UPと人件費の上乗せが急務だと思うが、中々落札できていない。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 160円台までになってしまった円安の動向が懸念される。あまりにも急激な変動は望ましくないと考えている。(化学工業)

窯業・土石製品

 昨年比で約10%の出荷減が続いている。このままでは現在の工場数(組合員数)を維持できない状態になる。全国的に見ても顕著な出荷減であり和歌山県の人口減少と同じような減り幅である。この状況の打開策の一つとして低CO2の環境配慮型コンクリートや再生材料で作るコンクリートの開発を工業組合で行っている。付加価値の高い商品で出荷減に対応する策を講ずることは、産業界では当たり前のことであるが、コンクリートはJIS、土木・建築の各仕様基準、公共機関等の仕様基準、法律等により雁字搦めになっており普及推進の足枷となっている。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 売上高は、前年同月比で16%上昇と少し回復したが、まだまだ予断を許さない現状である。(金属製品製造業)
 円安がさらに進み、今後どのような影響が出てくるのか注視していかなければならない。この苦境を乗り越える打開策を検討していく必要がある。(金属製品製造業)
 各企業では、賃金引き上げに動いているように思われる。(金属製品製造業)

その他の製造業

 小ロットではあるが注文が出てきはじめた。企業によりばらつきがあるが、やや回復しつつある。このまま続くよう期待したい。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 ゴールデンウィーク前に納品を済ませているため、現年の対前月比売上高(4月→5月)は減少している。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 和歌山県内の業況においては、変化はなく低い水準となっている。設備投資においても低調で昨年よりも景況は悪化している。6月より電気料金の補助金が打ち切られる事により、電気代の高騰による景気への影響が懸念される。運送業、建設業における2024年問題による影響が今後出てくる。商社にとって物流への影響は避けて通れず、お客様の理解を得られるように継続して説明を進めていく。(機械器具卸売業)

小売業

 決済方法について、昔は現金か掛け売りだったのが、その後プリカやクレジットやスマホ決済などのキャッシュレス決済が大幅に増え、メール会員やアプリ会員も加わることで、店頭の現金決済比率が大きく下がっている。お客様側は割安感があるが、SSにとって実は見かけ以上に粗利が圧縮されているようである。また価格表示が複雑でわかりにくくなっており、安いのは字が大きく、高いのは字が小さい。それぞれ決済方法で値段が異なり、瞬時に見分けがつきにくく実際の価格がどれかわからないといった声がでている。(その他の小売業)
 今期の組合員数は廃業のため2人減って38人となる予定である。(期末までは40人)当組合員の業態は商品販売に加えて修理加工などの技術が合わさったもので、今の時代に新規開業はほとんど見込めない。そのため新規に組合員になる人がいない中で、廃業により組合員数が減少していくことになる。最近は修理を引き受けてくれる店がなくて困っていたと、お客様からありがたがられることも増えてきている。組合は技術継承や共同仕入など貴重な事業を継続しているので何とか続けていきたい。(その他の小売業)

商店街

 当月の前半には大型連休があったが、商店街への来街者数の増加に伴う物販店の売上げの増加はなかった。仕入れ価格の上昇に伴う価格転嫁が、消費者の消費意欲に水を差したようである。一方、飲食店では来街者の増加に伴う一定の売り上げ増が見受けられ業種間の格差があった。(複合業種(和歌山市))
 物価上昇がじわりと効いてきているのか客足が鈍くなっている気がする。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 輸入相場はLPガスの非需要期に向かい下落傾向にあるが、円安の影響で仕入価格が上昇し、収益率の悪化が続いている。(ガス業)
 ゴールデンウィークは、昨年の約20%UPと好調だが、5月全体としては10%減の状況である。インバウンドについては、やはり大阪、京都が多く和歌山にはあまり入ってこない。県内では高野山、白浜が多い。(宿泊業)
 5月の対前年同月比の宿泊人員は98.7%、総売上高105.5%、1人当り消費単価106.9%、総宿泊料金100.6%、1人当宿泊単価101.9%、だった。2024年1月から5月の宿泊人員は308,588人で、前年同期間(2023年1月から5月)と比べると25,298人の増加である。天候にある程度、恵まれた日が多かったが宿泊者数が昨年に比較して98.7%であり、北陸応援割の影響もあると感じている。(白浜温泉旅館協同組合)
 今年の5月の売上及び客数は、昨年のゴールデンウィークより増加しており、一部の業種を除き、コロナ禍前を超えている店舗も見られる。しかしながら、厳しい店舗もある。特に、友人・家族の飲み会が増加している。ランチタイムは賑わっているが、夜はそうでもない。店舗により売上の増減がまちまちである。温泉・観光地の飲食店は、旅行客やインバウンドによる外国人等により賑わっているが、ほとんど影響がない地域が多い。一方、原材料費の高騰が続き、従業員の人手不足と賃金の上昇により、収益は横ばいとなっている。繁盛店は、料金への転嫁を進めている。新規創業資金及び設備投資等の借り入れが減少しており、新規出店が大幅に減少している。既存店は、コロナ融資の元金返済が始まり、返済に苦慮していると思われる。(飲食店)
 業界全体の問題として人手不足が深刻となっており、雇用人員の増加が課題となっている。新車の供給は戻りつつある。(自動車整備業)
 SDGsへの取組やコンプライアンスについて講習会等を開催し、意識を共有しなければならない。(自動車車体整備業)

建設業

 令和6年5月の県工事受注額は前年同月比で大幅増となった。これは前年同月の受注額が極端に少なかったためである。4月~5月までの2カ月でみると受注額は前年度を確保できている。(総合工事業)
 公共工事の受注状況は、すべての発注機関において減少している。手持ち工事のない業者が多数見られ、早期発注が待たれる。(総合工事業)
 働き方改革により労働時間に上限規制が適用され、上限を超えると罰則がある。従業員によっては、もっと働きたいという人も多いと考えられるので、建設業界にとってはあまり良くないプログラムだと感じている。業務効率化が出来る会社は良いが、全体的に考えて現場改善に役立つのか疑問である。鉄材価格が5%〜10%値上げされた。大阪万博に関連する業者はごくわずかで、県内の景気活性化につながるのか意見が分かれる。今季の地元建設業界は減少・悪化傾向が続くとみているようである。(職別工事業(設備工事業を除く))
 現状を何名かの組合員に聞いても「不変」或いは「減少・悪化」と答え、「好転」という回答がない。人材不足もかなり深刻のようである。(設備工事業)

運輸業

 年度が替わり様々な商品が値上げされ、消費が冷えているのか荷動きが悪い。ドライバーの残業規制も始まり、運賃転嫁を進めている中、肝心の物量が減少すると物量が欲しい業者間で競争となり運賃が逆に下がる。まだまだ様子見の状況が続くと思われ、経営環境・資金繰りは依然として厳しい。(道路貨物運送業)
 5月は稼働日数が少なく受注量も少ないと思われる。軽油の価格は、相変わらず高値安定である。(道路貨物運送業)