【2024年6月分】景況調査

【2024年6月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化

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業種売上高収益状況資金繰り業界景況
製造業食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値-10.0-32.5-15.0-40.0

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 個人消費が、数ヶ月連続で低迷している。(食料品製造業)
 梅販売は堅調で、原料については作柄が凶作であったため価格や在庫については不透明である。(食料品製造業)

繊維工業

 アパレルの動きが鈍く在庫が多くなっているのか生産量がかなり減っている。少子化による減収で収益状況も悪化している。(繊維工業)
 6月の売上は前年同月と比較してやや増加している。全般的に注文数が減少しているので、販売予測が立てにくい現状である。そのため前もっての原料糸等の購入準備が出来ず、注文が入ってからの納品に日数がかかっている。(繊維工業)

木材・木製品

 6月のプレカット受注は5月並みで足踏みしており、改善の兆しは見えない。住宅向けを筆頭に実需不足が続き、工場稼働率は7割台まで低迷している。今しばらく不振は継続するとの声が多い。課題は、主力の住宅向けがどこまで回復してくるかにかかっている。例年なら盛夏に一旦需要が落ち、年末に向かって忙しくなるパターンを繰り返すが、今年はいまだ盛り上がりが無く1年を通じて不振が続くあきらめムードに近い状況。また万博関連の加工も一巡し落ち着いている模様。プレカット工場では、今後の需要について縮小傾向を危惧する経営者が多い。住宅価格の高値感が背景にあり、好条件の物件以外は買い気が鈍い状態が続く見込み。他社とも業績が悪いため、価格競争に拍車がかかっており、局地的な受注獲得競争が続いている。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 金利の変動により住宅建設の動向は低迷を極めている。受注先である工務店等の動きは鈍く、さらに、建設費を抑えるために住宅設備の不要でないものにまでオプション化が進んでいる。わが建具業界はその矛先に立たされているようである。(家具・装備品製造業)
 製材業の加工量、プレカットの生産加工量は共に横ばいである。また県内の原木市の単価も横ばいで、取扱量は少し増量した。(家具・装備品製造業)
 前年比売上3割減である。原因は不明だが業界的に低迷期となっている。問い合わせ件数も少なく夏にかけても回復材料が少ない状況である。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 今月は円が37年ぶりに161円台まで行ってしまった。円安は輸入原材料のコストアップにつながるので、あまりに急激な変動は望ましくないと考えている。(化学工業)

窯業・土石製品

 年度始まりの4月から前年比マイナスが続いているが、年初の予想通りの出荷推移ではある。全国的にも一部の都市部を除いて全てがマイナス傾向であり、業界全体として岐路に立っていると言っても過言ではない。品質と価格の両立を目指して組合員各社は努力を積み重ねている。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 売上高は、前年同月比で約2%減少している。少し好転しているようだが予断を許さない状況である。(金属製品製造業)
 人手不足を少しでも埋めようと技能実習生を採用しようという動きが出ている。仕事量はあるが、人手が足りず、仕事を受け入れられないという深刻な状況を改善しなければならない。(金属製品製造業)
 各企業では、賃金引き上げについて色々と検討しているように思われる。(金属製品製造業)

その他の製造業

 小ロットの注文が時々来る程度の状況が続いている。例年通りなら来春夏の新商品のサンプル注文がある頃だが、現況やや不安定である。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 現年の対前月比売上高は増加した。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 和歌山県内の業況においては、変化はなく低い水準となっている。設備投資においても低調で昨年よりも景況は悪化している。原材料価格と運送費の高騰、円安の影響で引き続きメーカーからの値上げ要請がきている。また人手不足は解消されておらず、人材の確保が課題となっている。(機械器具卸売業)

小売業

 燃料油価格激変緩和措置は、年内に限り継続するとされた。その際、国際的な脱炭素の流れなどを踏まえ、段階的かつ円滑な終了に向けて必要な対応を行うとされている。物価高により消費意欲が減退した結果、車の利用を控える暮らし方が根付くことにつながることが心配である。(その他の小売業)
 資源価格高騰と円安によって貴金属製品が値上がりしている。そのことがかえって注目を集め、部分的に売り上げ増につながる結果となっているようである。(その他の小売業)

商店街

 5月の末に老舗靴販売店が現状破産申請中と聞いており、小売商業を取り巻く環境は依然として厳しいものがあると感じている。夏の賞与が支給されているようだが、消費より投資に回っているように感じる。令和6年路線価が発表されたが、商店街内の路線価に回復の傾向は無く中心市街地の復権活性化されていない。事業者による自助努力で出来ることは極めて限られていると感じている。(複合業種(和歌山市))
 予約注文と配達料が少し増えたため、売上も少し増加した。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 LPガスのボンベ等、供給に係る物の再度の値上げ、円安の影響でガスの仕入価格が上昇し依然として収益率の悪化が続いている。(ガス業)
 売上は対前年比50%~100%、コロナ前の80~100%で、和歌山市では和歌山駅東口のルートインオープン等の影響が出ているようである。そういった中、単価値下げによる稼働率UP策より、値段を維持しながら、売れるプランを作成する等の動きが出てきている。(宿泊業)
 6月の対前年同月比の宿泊人員は109.4%、総売上高119.0%、1人当り消費単価108.7%、総宿泊料金105.9%、1人当宿泊単価96.8%、だった。2024年1月から6月の宿泊人員は450,761人で、前年同期間(2023年1月から6月)と比べると31,004人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 6月の売上及び客数は、一部の業種を除き、コロナ禍以前を超える店舗も見られるが、厳しい店舗も多く見られる。友人・家族の飲み会が増加しているが、企業の利用はまだまだである。ランチタイムは賑わっているが、夜はそうでもない。特に、店舗により売上の増減がまちまちである。温泉・観光地の飲食店やホテルは旅行客やインバウンドによる外国人等により賑わっているが、ほとんど影響がない地域が多い。一方、原材料費の高騰が続き、従業員の人手不足と賃金の上昇により、収益は横ばいとなっている。繁盛店は、料金への転嫁が進んでいる。新規創業資金及び設備投資等の借り入れがコロナ禍前より減少しており、新規出店は大幅に減少し、廃業店舗が増加している。既存店は、運転資金の貸付希望がほとんどであり、コロナ特別融資の元金返済に苦慮している。(飲食店)
 業界全体の問題として人手不足が深刻となっており、雇用人員の増加が課題となっている。部品の仕入れ値についても上昇傾向にある。(自動車整備業)
 急速に普及が進む電気自動車の整備について、作業品質を確保するための設備や技術等が課題となっている。(自動車車体整備業)

建設業

 当組合の令和6年6月の県工事受注額は前年度比290%増となった。これは県工事発注事務の前倒し努力によるものと思われるので、年度後半に向けて受注額は減少していくと推測している。(総合工事業)
 公共工事の発注状況は国及び県工事で6月も減少傾向だったが、7月入札予定分の公告があり少し上昇気配が見えてきた。(総合工事業)
 和歌山県内の状況だが、各商社の情報によると田辺市の方が和歌山市より売上高が高いようである。物件情報が少なく工場関連はそこそこあるものの、住宅関連は見積物件がほとんど無いようである。160円を超えるような円安なので、また鋼材価格が値上げされることが心配である。よい傾向が見られる情報が欲しいところである。(職別工事業(設備工事業を除く))
 先月と変わらず、目立った動きはない。公共工事は微増となっている。(設備工事業)

運輸業

 2024年問題の渦中に突入したが、値上げなどによる消費の落ち込みで荷動きが悪い。ドライバー不足を懸念した取り組みは荷動きの悪さで空回りし、ドライバー不足どころか車がだぶつくような状況が懸念される中、運賃見直し、運賃値上げの機運が頓挫していくことは避けたい。ただし、一部ではドライバーの不足感があり、顧客業態毎に濃淡が見られる。まだまだ様子見の状況が続くと思われ、経営環境・資金繰りは依然と厳しい。(道路貨物運送業)
 6月は地域内の荷動きが少ない。組合施設での軽油販売量は前年同月比で99.5%と大差なく推移している。また、新車両の納車が遅れ気味の組合員企業がある。(道路貨物運送業)