【2024年7月分】景況調査
【2024年7月分】前年同月比の景気動向
増加・好転 不変 減少・悪化
業種 | 売上高 | 収益状況 | 資金繰り | 業界景況 | |
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製造業 | 食料品 | ||||
繊維工業 | |||||
木材・木製品 | |||||
印刷 | |||||
化学・ゴム | |||||
窯業・土石製品 | |||||
鉄鋼・金属 | |||||
その他 | |||||
非製造業 | 卸売業 | ||||
小売業 | |||||
商店街 | |||||
サービス業 | |||||
建設業 | |||||
運輸業 | |||||
DI値 | -10.0 | -32.5 | -15.0 | -40.0 |
(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)
製造業
食料品
販売は好調であるが、不作の影響で原料不足と価格上昇が見込まれるので、業界全体の先行きは不透明な状況である。(食料品製造業)
繊維工業
6月・7月は、前年より売上が減少傾向にあり、秋冬は再減少が予想される。少子化による受注の減少が原因の一つであると考えられる。また加工賃がなかなか上がらず賃金だけが上がり、収益状況が悪化している中、地域別最低賃金の上昇を危惧している。(繊維工業)
7月の売上は前年同月とほぼ同額だった。原料糸の単価は一応高止まりで安定しているが染色工賃やダンボール、資材関係の再値上がりの案内が届いている。前回も報告したが、今後の販売予測が立たないために、前もって値上がり前の資材等を購入しておくことが難しい状況である。(繊維工業)
木材・木製品
7月のプレカット稼働率は低調ながら、やや回復している。7月の稼働率87%に対し8月は89%とやや増加の傾向であり、9割に近づいてはいるが、受注の浮き沈みが激しい。昨年7月と比較すると徐々に受注は増加傾向となっているが、市場自体に変化はなさそうである。住宅向けの加工需要もさほど変わらず、プレカット工場でも販売先が分譲などに力を入れると一時的に忙しさは出るが、全体において受注が増えているという感じはしない。秋口までやや忙しさが出ても長続きはしないとみられている。現時点では、年間需要は前年並みが精一杯で、受注と売り上げの双方で前年並みの維持を不安視しているところが多い。(木材・木製品製造業(家具を除く))
現在の住宅建築は価格不透明感の無いプレハブ住宅が主体となり、それに付随する建具などの住宅関連部品については、ほとんどメーカーで内製化が進んでいるため、当業界には疎遠な関係にある。このような状況下、当業界の発注先である近畿一円の工務店の着工数が激減している。(家具・装備品製造業)
製材業の加工量は横ばいであり、プレカットの生産加工量は少し増加した。また県内の原木市の単価は横ばいである。(家具・装備品製造業)
5月からの急激な落ち込みは回復しつつある。秋にかけての大阪周辺の施設改装や新築の話は多くなったが、住宅の建設が依然低迷しているようで、内装業全体の勢いはそれほどでもなく、年度後半どう動くかは不透明である。また資材価格について、1年近く上げ止まっていたが、年末までに再度値上がりがありそうなので、更なる価格転嫁が必要である。年々夏の気温が上がって体温超えも当たり前になってきており、職場環境として工場施設内の空調設備が必要であるが面積の広い木工場では、埃の問題があり、設備費についても、数千万円以上するのに加えて毎月十万から百万円のメンテナンス費用が必要などとても現実的ではない。40度超えの場内での労働は過酷だが対処できないでいる。(家具・装備品製造業)
化学・ゴム
日銀の金融政策がどうなるのか、これが影響を及ぼすドル円レートを注視している。(化学工業)
窯業・土石製品
串本周辺では紀勢道の延伸工事で大幅な需要増であるが、その他エリアは出荷数量が軒並み減少傾向にある。公共工事の件数は横ばいから増加傾向であることから、工事規模が小さくなっていると考えられる。(セメント・同製品製造業)
鉄鋼・金属
前年同月比で、約18%の売上高増加となった。しかし、まだ先行き不透明感があり、予断を許さない状況である。(金属製品製造業)
業界全体として状況、売上高が徐々に改善されてきており、受注状況としても増加の傾向である。(金属製品製造業)
その他の製造業
新商品のサンプル注文も少なく、先月と変わらず厳しい状況。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
後継者不足により製造業者が減少しており、近い将来自分たちの産地だけで製造出来なくなるのではないかと危惧している。(その他の製造業)
現年の対前月比売上高は増加した。(その他の製造業)
非製造業
卸売業
和歌山県内の業況においては、変化はなく低い水準となっている。毎日暑い日が続いており、家庭の光熱費削減における機器販売が好調である。また県下の民間事業者から照明や空調などの省エネ機器への更新の問い合わせは増加している。製造業、旅館、ホテル業の設備投資の予定は多くなっており、人手不足の企業ほど省力化やデジタル投資に注力している。全体的に見て人手不足は解消されておらず、人材の確保が課題である。(機械器具卸売業)
小売業
県内では、過疎化が進行している。高齢者ですら減少傾向にあり、影響を受けているSSが少なくない。経営者の子供たちも都会に出ており、田舎のSSにもどって商売をしたいとは考えておらず、このままでは後継者不在により、閉店するしかなくなる。特に過疎地でのSSは欠かせないエネルギーインフラであり、地域住民のためにも、官民でSSを存続させる方策を考えていくことが必要である。(その他の小売業)
ボーナス後だが、特に盛り上がるような手応えは感じられない。取扱商品に関しての消費は低調である。(その他の小売業)
商店街
物販店の売上が上がっていない。飲食・サービス関係の店ではインスタなどの情報発信を活発に行い繁盛している店が一部見受けられ、業種により差が出てきている。新しく商店街に出店を希望する業種も、圧倒的に飲食が多いように感じる。物販店は、ウィンドウショッピングを目的に来街する消費者が以前より激減したこともあり、従来の顧客に頼った営業で売り上げを増やすことが困難な状況となっている。組合はイベントの開催により、商店街の存在を消費者に周知することを軸にして運営することを考えていきたい。(複合業種(和歌山市))
経験のない悪天候と高温が続き、来客数が激減した。もう少しおだやかな天候が続くことを祈るしかない。(複合業種(和歌山市))
サービス業
ガス器具販売が消費者の買い控えで思うように進まず苦戦している状況のなか、来月よりガス衣類乾燥機無料モニターキャンペーンを開始予定。ガスの仕入価格は依然下落せず、収益の悪化が続いている。(ガス業)
7月は前年比76%~120%の売上となっており、8月の売上予想は100%~120%と考えている。インバウンドの影響はやはり白浜、高野山地区に大きくでている。また、JR和歌山駅前のビジネスホテルは、ルートインホテルの開業による影響が出ている。(宿泊業)
7月の対前年同月比の宿泊人員は97.0%、総売上高102.1%、1人当り消費単価105.2%、総宿泊料金96.8%、1人当宿泊単価99.7%だった。2024年1月から7月の宿泊人員は549,327人で、前年同期間(2023年1月から7月)と比べると27,991人の増加である。今夏の状況は晴天続きであり、期待しているところではあったが、酷暑が影響しているのか海水浴客が例年よりも少なく感じる。(白浜温泉旅館協同組合)
7月の売上及び客数は、一部の業種を除き、コロナ禍前を超えている店舗が増加しているが、まだ回復していない店舗も多く見られる。特に、猛暑の影響で、ビアガーデンや居酒屋等は、企業での利用はそこまでないものの客数が増加している。その他の飲食店はランチタイムに客数が増え、夜は業種によって落ち着いている傾向が見られる。温泉・観光地の飲食店やホテルは夏休み客やインバウンドによる外国人等により賑わっているように見えるが、ほとんど昨年と変わらない。ほとんどの店舗が、原料費の高騰が続き、従業員の人手不足と賃金の上昇により、収益は横ばいとなっている中、繁盛店は、料金への転嫁を進めている。新規創業資金及び既存店の設備投資等の借入減少が続いており、廃業店舗も増加している。既存店は、設備投資がなく、運営資金の貸付希望がほとんどである。またコロナ特別融資の元金返済にも苦慮していると思われる。(飲食店)
人手不足が深刻となっており、部品代の高騰により収益状況も悪化傾向にある。(自動車整備業)
建設業
令和6年7月の県工事受注額は前年同月比で、わずかに減少し92.23%となった。(総合工事業)
公共工事の発注は全般的に昨年並みである。9月以降に生コン価格の大幅な値上げがあるようで、その影響が懸念される。(総合工事業)
和歌山県内の建設の現状は、先月とさほど変わらず、全体的には建設投資額を筆頭に減少傾向にある。また9月頃に資材の値上げが実施されるようで受注の低迷により、倒産する企業が増加することを危惧している。建設物価は1.5倍以上になり、9月の値上がりでどうなるのか不透明である。(職別工事業(設備工事業を除く))
物流の2024年問題の影響で、電設資材の配送に関しても費用の負担や人員不足による納期の問題等が表面化してきた。今後更に建設業の2024年問題と併せて大きな問題となる事は間違いないと思われる。(設備工事業)
運輸業
相変わらずの原油高は高止まりで落ち着き始めた。荷物では宅配関係の動きが鈍くなってきている印象である。(道路貨物運送業)
7月は地域内の荷動きが少なく、県外事業者からの傭車依頼に対応している事業者もある。また、燃料は高値安定で収益率の低下に拍車をかけている。(道路貨物運送業)