【2024年9月分】景況調査
【2024年9月分】前年同月比の景気動向
増加・好転 不変 減少・悪化
業種 | 売上高 | 収益状況 | 資金繰り | 業界景況 | |
---|---|---|---|---|---|
製造業 | 食料品 | ||||
繊維工業 | |||||
木材・木製品 | |||||
印刷 | |||||
化学・ゴム | |||||
窯業・土石製品 | |||||
鉄鋼・金属 | |||||
その他 | |||||
非製造業 | 卸売業 | ||||
小売業 | |||||
商店街 | |||||
サービス業 | |||||
建設業 | |||||
運輸業 | |||||
DI値 | -12.5 | -47.5 | -22.5 | -42.5 |
(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)
製造業
食料品
梅干製品の販売は好調だが収益は良くない。10月と11月の値上げ後の売上落ち込みが見込まれる。また、原料の不足感は顕著である。(食料品製造業)
繊維工業
10月以降の最低賃金の大幅な上昇、賃上げの原資確保に不可欠な価格転嫁の難しさ、少子化による減収、商品の多様化による在庫の増加などが要因となり、経営状況はさらに悪化すると考えられる。中国国内も景気が悪く、大量生産を行っていた中国企業の小ロット受注が増加しており、日本国内生産分も海外生産にもっていかれている。円安傾向にあり仕入価格も上昇している。また、資金繰りは前月より悪化している企業が微増している。(繊維工業)
9月は前月より回復したものの、前年同月比では減少している。販売先も市場の状況を見ながら計画を立てているようだが、市場の動向が不安定なため商品仕入れに慎重になっているようである。(繊維工業)
木材・木製品
9月のプレカット受注量は前年同月比2%減で、前月比6%増とほぼ前年並みであった。先月より受注が小幅増となっているが、工場側の手応えは一部の工場に留まっており、まだら模様となっている。全体的には賃貸住宅や非住宅系はやや忙しさがあるものの、戸建て住宅不振は長引いており、さらに住宅1棟当たりの加工坪数の減少もあり稼働率の改善は見られない。採算度外視の営業とは一線を引いているとの声があるものの、他の値引きに引きずられ悪循環となっているとの指摘もある。非住宅系需要が台頭してきても新築戸建てが主力である工場がほとんどとなっているため、新築不振が続く限り過当競争は避けられない見込みである。また、平屋や1.5階建てのニーズが増えており、これは工場からすると1棟当たりの加工坪数の減少につながっており、加工枠を埋めるために苦労している現状である。(木材・木製品製造業(家具を除く))
業界全体では、住宅への投資が減少し、それに伴って建具の製品出荷額も伸び悩む中、長期にわたって低迷状態にある。今は突発的な受注に応えるだけで、見積依頼はあるものの製作に達することが少ない。(家具・装備品製造業)
製造業の受注量が減少した。また、プレカットの生産加工量と県内の原木市の単価は横ばいであった。(家具・装備品製造業)
業況としては今ひとつ伸び悩みが続いており、売り上げ的には昨年比で1~2割減になった。万博工事関連も直接的な動きはほとんどないが、新規物件の問い合わせや見積もり依頼は増えつつあり、年末にかけての動きに期待している。引き続き優良人材の確保と木工業の賃金水準が今後の問題となりそうである。賃金水準については、基本手作業中心の業種の為、即コストUPに繋がる。また、繁忙期においても生産量に限りがある為、閑散期をカバーするだけの余分な売り上げ確保ができないという問題もある。(家具・装備品製造業)
化学・ゴム
中国の経済状況が不透明であり、さらに日本も岸田総理が交代するので経済政策が読みにくい。(化学工業)
窯業・土石製品
単月でみると前年と同等の需要動向であった。高速道路工事が下支えとなっている。この景況感の影響で民需官需全体的に工事規模が縮小傾向にある。(セメント・同製品製造業)
鉄鋼・金属
全体として業況が好調な事業所が多くなってきているが、まだまだ人手不足の問題が売り上げ増への支障となってきている。(金属製品製造業)
その他の製造業
サンプル注文のみで本格的なオーダーはない。小ロットでは採算がとれず苦戦している。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
先月比でみると売上高は増加している。(その他の製造業)
非製造業
卸売業
中小企業は 引続き物価高や人件費の上昇が負担となっている。販売価格への転嫁も難しい状況であり、人手不足は解消されておらず、人材の確保が課題である。残暑が厳しく、季節商材の販売が好調であり、物流費の値上げは継続的に行われている。また、株価の変動や為替の影響で価格が安定しない状況が続いている(機械器具卸売業)
小売業
燃料油価格激変緩和対策事業について、政府は年内に限り継続することを発表しているが、冬場が近づく中、灯油需要の時期を迎えることになる。補助事業の急な打ち切りや補助額の大幅な削減がないよう、政府にはしっかりと対応していただきたい。また、和歌山市内も含め、近隣市町村では、採算を度外視したガソリンの価格競争が続いていて、地域全体の給油所運営に影響を与えている。「国との契約についての基本方針」の自治体への周知不足や自治体の認識不足が指摘されている中、災害協定と官公需の一体化をより一層推進するため、資源エネルギー庁、近畿経済産業局、県、市町村及び中央会とも連携し、地方自治体へ基本方針の趣旨の徹底を図り、石油製品の安定供給の観点からも官公需の受注拡大につなげていきたい。(その他の小売業)
9月は全般的に暑さが残っていたが、下旬にかけて来客は増加し始めたところである。(その他の小売業)
商店街
以前からの空き店舗に飲食店の出店が決まった。空き店舗数については一進一退で、オープンのタイミングをそろえるなどによりインパクトのあるものにする工夫していきたい。(複合業種(和歌山市))
例年にない暑さと天候不良により、かなり売上が減少した。さらに電気代等の増加で資金面でも大変苦労した。(複合業種(和歌山市)
サービス業
猛暑による水温の上昇により一般家庭の給湯用消費量が著しく減少し、ガス売上は大幅に減少した。また、ガスの仕入に関して輸入相場は横ばいで、前年同月より約1割高で推移している。冷房のガス空調で売上は増加したが、利益は減少している。(ガス業) 売上高は対前年比70%~150%で施設によって分かれる。前年が悪すぎた施設もある。中国からのインバウンドが増えてきており、熊野古道はリュックサック姿の欧米人やバスツアーの中国の人が多い。(宿泊業)
9月の対前年同月比の宿泊人員は92.8%、総売上高95.9%、1人当り消費単価103.3%、総宿泊料金96.8%、1人当宿泊単価104.3%だった。2024年1月から9月の宿泊人員は721,749人で、前年同期間(2023年1月から9月)と比べると4,356人の減少である。9月は連休が2週続きで、期待感があったが、全体的に天候がすぐれず、特に迷走台風による影響が大きかった。(白浜温泉旅館協同組合)
8月の売上及び客数は、一部の業種を除き、前年と変わりが無い店舗が増加しているが、まだ回復していない店舗も多く見られる。特に猛暑によりビアガーデンや居酒屋等は増加している。しかしながら、企業による接待の利用はまだまだ少ない。またランチタイムは賑わっているが、夜は業種により厳しい状況が続いている。温泉・観光地の飲食店やホテルは夏休み客やインバウンドによる外国人等により賑わっているが、台風の影響で売上等が減少している。一方で原材料費の高騰が続き、従業員の人件費の上昇もあり、収益は横ばいとなっている。新規創業資金および既存店の設備投資等の借入が減少しており、経営状況の悪化による廃業店舗も増加している。既存店は設備投資がなく、運転資金の貸し付け希望がほとんどである、またコロナ特別融資の元金返済にも苦慮している。(飲食店)
部品代の高騰に対して販売価格への転嫁が追い付いていない状況であり、収益状況は悪化傾向にある。(自動車整備業)
組合員の教育制度を含めた技術力や業界全体の活性化に向けた取組の必要性が求められる。(自動車車体整備業)
建設業
9月の県工事受注額は前年同月比で、46.54%となった。今年度上半期では前年度上半期の85.25%となっている。(総合工事業)
公共工事の発注状況は全般的に減少傾向である。ここ数年全体の発注量が減少しているので建設業者にとっては状況が厳しいものとなっており、特に当地域の和歌山県発注工事が減少している。(総合工事業)
先月分と比べると景況感は上昇傾向である。しかし順調に進んでいる業者もあれば、暇なときもある業者もありバランス良く流れていくような事は無いようである。お互いに協力し合うことで、現状を乗り越えようとしている状況である。(職別工事業(設備工事業を除く))
大きな変化はないが、資材であるケーブルの納期が1~2か月、高圧ケーブルになると半年近くかかる。まだまだ追いついていない状況にある。(設備工事業)
運輸業
2024年問題への対応が進んでいる中で、運賃見直しが進んでいない。顧客企業の業界等で濃淡があり、特殊な貨物の運送はある程度運賃転嫁も進んできているが、一般貨物の運送運賃は未だ競争が激しく、運賃転嫁は思うように進まないのが現状である。軽油の単価も高止まりしており、12月以降の補助金がどうなるのか注視しているところである。(道路貨物運送業)
取引価格が好転しているところが見られる。また、有田地域では温州みかんの時期が9月下旬から始まるので、これからが本地域の繁忙期である。(道路貨物運送業)