会長挨拶(2023)

和歌山県中小企業団体中央会 会長 玉置 篤

和歌山県中小企業団体中央会
会長 玉置 篤

「処方箋のない世界で」

 

 新年あけましておめでとうございます。
 三年にわたる新型感染症との戦いも「収束」というより「共存」の道を探ろうとしています。中央会の事業も一部を除き徐々にもとに戻り、昨年12月に行われた組合まつりには3500人を超える来場者をお迎えすることができました。
 ただ、私たちはこの数年「処方箋のない世界」で生きているのかもしれません。新型感染症は全世界の基礎疾患となり、昨年2月にはロシアがウクライナ東部に侵攻を開始、世界中が合併症を引き起こしてしまいました。潜在的な問題であった我が国の国力の低下は一気に表面化し、景気後退と物価高騰が同時に起こるスタグフレーションの瀬戸際にあるように感じます。残念ながら今のところ、これらの症状には明確な処方箋は見当たりません。
 一方、人口減少社会で現在のビジネス力を維持するための処方箋の本命が「生産性の改善」です。中央会が窓口となっている「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」はそのために用意された補助金で本年も82件が採択されました。来年度以降も継続される見込みなので最大限に利用していただきたいと思っています。
 中央会の青年部である和歌山青年中央会は昨年11月、子ども向けの職業体験イベント「ゆにフェス」を初めて開催しました。新型コロナ禍での開催は勇気が必要だったと思いますが、雨交じりのなか参加してくれた組合青年部の方々や来場した子供たちの中から将来の組合運営を担うリーダーが必ず育つことを期待しています。
処方箋のない世界に必要なのは、まず自分が処方箋を作って実行する勇気です。皆様の描いた処方箋が大きな効果へと発展する一年になりますよう祈念して新年の挨拶とさせていただきます。