【2020年5月分】景況調査
【2020年5月分】前年同月比の景気動向
売上高 | 収益状況 | 資金繰り | 業界景況 | ||
製造業 | 食料品 | ||||
繊維・同製品 | |||||
木材・木製品 | |||||
印刷 | |||||
化学・ゴム | |||||
窯業・土石製品 | |||||
鉄鋼・金属 | |||||
その他 | |||||
非製造業 | 卸売業 | ||||
小売業 | |||||
商店街 | |||||
サービス業 | |||||
建設業 | |||||
運輸業 | |||||
DI値 | − 82.5 | − 77.5 | − 62.5 | − 85.0 |
(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)
製造業
食料品
5月は菓子全般の売上高が悪く、特に高野山や紀南方面で観光客が減少したのが影響したものと思われる。(パン・菓子製造)
今年は梅の作柄が良くない状況で、仕入(原料)価格の高騰が予想される。また、原材料の在庫量が少なくなりつつあるのでその確保が懸念される。みやげ物としての梅商品は、全く売れていない。売上高低下に伴い稼動率は落ちており、固定費の支払いが厳しい組合員が増えてきている。(その他の食料品製造業)
繊維・同製品
5月は、(株)レナウンの経営破綻で業界に激震が走った。今後この影響が懸念される。また、春物のかきいれ時であるGW期間中における店舗閉鎖やその後の緊急事態宣言の解除後も商品の売れ行きが悪く、業界全体が弱気になっている。経営環境は好転しておらず、運転資金の余剰が減少している。(その他の繊維製品製造)
4月頃までは残りの受注があり前年同月比微減程度で留まった組合員もあるが、5月以降の受注は大幅に減少する気配がある。
また、既に生産した製品について、新型コロナウイルス感染症が終息方向に向っても消費が停滞しそうなので、今までの水準に戻るのは相当時間が掛かると思われる。今後、中小零細企業は一層経営環境が厳しくなるのでは。(その他繊維製品製造)
新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛要請の中で、経済にも大きな影響が出ていますが、5月の売上高は何とか前年同月と比べ同水準を確保しました。しかし、組合全体では販売ルートの違いや主力商品の用途の違いにより、かなりのばらつきが見られます。
今の懸案事項としては、今回の新型コロナウイルス感染症が終息した後の社会構造変化で、商品の流通形態や作業現場の状況がどのようになるのか、また、その変化に応じて組合員の製造現場が対応していけるのかどうかが不明な点です。不明な点が多すぎて今後の予測や計画が立てられないのが不安です。(毛皮製衣服・身回品製造)
木材・木製品
前月に引き続き、新型コロナウイルス感染予防に関する影響で、工務店等の工事が遅延し、さらに、手付かずの計画は中止もしくはキャンセルとなっている。そのことによる影響は、2~3か月後にでも現れてくるようだ。今後は、年内は予断を許さない状況と考えられる。(建具製造)
勤務時間の短縮や工場を休業にする生産調整をしている中、受注に対し生産をどのようにするか従業員の出勤体制をどのようにしていくか、またオリンピックの延期で大きな影響を受けた組合員もあるそうです。6月以降はもっと影響を受けるだろうという声が多く聞かれます。(建具製造)
住宅会社の受注動向に関して、比較的低価格帯の住宅を建築する大手ビルダーが総じて4月も前年同月を上回ったのに対し、注文系大手住宅会社が3~4月から受注を落としており対照的になっている。
令和2年4月の新設住宅戸数は全国で69,162戸で10カ月連続減少で、持家・貸家・分譲住宅で減少したため前年同月比で12.9%の減少になり、「リーマンショック後の経済水準かそれ以上」と言われている。持家は9カ月連続の減少で前年同月比17.4%減少、貸家は20カ月連続の減少で前年同月比15.4%減少、分譲住宅は6カ月連続の減少で、一戸建住宅が5カ月連続の減少となった。
和歌山県内の新設住宅戸数は646戸で前年同月比36%の増加で、貸家が301戸と対前年同月比112%の増加だった。関西や県内プレカット工場では6月頃までは影響が少ないようだが、それ以降は不透明で本格的に経営環境が落ち込むのは夏以降との見方が強まっている。(製材業)
5月に関して売上額が約5分の1~10分の1となっています。各種助成金や融資をフル活用しており、工場は当面休業が続くと思われます。
新型コロナウイルス感染症が原因で不要不急の外出を自粛したことによる経済停滞で、物件の施工延期若しくは中止が多くあります。今の所は経済状況の回復の兆しはありません。当社についても、6月の状況が悪い場合や回復の様子が見られない場合は廃業も視野に入れている所です。
また、固定経費の多い組合員では、助成金等を活用しても1~2カ月持ち堪えるのが精一杯だと思います。借入金の返済猶予について銀行側が全く応じないのもこの経済情勢の中どうかと思います。(家具製造業)
印刷
5月末には、様々なイベントの自粛や学会の中止等の影響による売上高の減少に伴う、収益状況の悪化によりその70%近くが減少する組合員も出てきた様です。(印刷業)
化学・ゴム
今月は対前月比では、医農薬中間物が大幅に減少し、有機中間物・高分子が伸びた。結果、出荷量4.7%増も出荷額は逆に24.2%減と大幅に減少した。対前年同月比でも、農薬中間物・有機中間物の減で出荷量15.9%・出荷額14.7%のそれぞれ減少であった。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界経済に大きな影響を与え、百年に一度の経済危機状態である。ようやく国の緊急事態宣言が解除され、県の休業要請等も緩和されたが、第2波が心配な面もある。
国内の新たな感染者が減少傾向も未だ世界的な感染者は増加しており、対応ワクチンや治療薬の開発まで時間がかかりそうで、景況の悪化は著しく出口が見えないのが辛い。(化学工業)
鉄鋼・金属
5月は新型コロナウイルス感染症の影響で、前年同月比マイナス35%となった。
今後の見通しについては6月7月も同様に低迷するだろう。前月同様、金融支援についての情報は、様々な方面から頂いている。(金属素形材製品製造業)
新型コロナウイルス感染症による景気悪化が長期化し、全世界で自動車や産業機械などが販売減となっている。鉄鋼を取り巻く経済環境も極めて厳しく、アフターコロナもしばらく冬の時代が続くことが予想される。
当該感染症の影響による世界的な生産の停滞や消費の落ち込みが、何時どれだけ回復するのか全く見通せない状況である。このような状況下、各組合員は自社の長所を伸ばし乗り切って行くしかない。(金属製品製造)
関西製鉄所の高炉休止並びに新型コロナウイルス感染症の影響が少しずつ出始めて来たように感じる。ただ、職種・業態により差があるようで、もう少し様子を見なければならない。(複合業種(金属))
その他の製造業
5月の売上高は、前年同月比増加したが前月比は減少した。ネット通販が各組合員の売上高を底上げしたようだ。なお、マット類に関しては今後夏場に向け売上高が落ちる。(和雑貨製造業)
5月は前月に続き低調だった。GW明けから少し動き始めたかな。(なめし革・同製品・毛皮製造)
非製造業
卸売業
5月に関して、和歌山県の官公庁市場は増加傾向、国の施策で始まった公立小中学校での空調機械設置案件が少し落ち着いてくると予想される。民間物件については昨年から見ても少し減少しているが和歌山市が中心で、その他地域については官公庁物件だけで、全体的に見ると前年度実績から受注件数は下回っている。
また、新築住宅に関しては、他府県より資材・工事会社が参入し和歌山県に店舗展開している。白浜地域も同様に他府県業者により工事を元請で受注されている。
2020年4月から新型コロナウイルス感染症のため市場は冷え込んでおり、宿泊・サービス業・建設業で和歌山県内の事業所でその38%が何らかの影響があり、かなり経営環境が厳しくなるだろう。
次世代住宅ポイントの活用で市場が良くなるかどうかが鍵となるが、消費者が動くか心配だ。電材業界は国交省や県庁の物件により市場が左右されると判断している。また、GIGAスクール構想※で和歌山県に動きがあるのかを注視している。
金融状況に関して、前月同様大きな変化はないが厳しい状況には変わりない。雇用に関して同業者情報であるが、若手が辞めていっている様だ。入社希望者の減少傾向により雇用が困難な状況である。
※GIGAスクール構想とは、全国の学校で義務教育を受ける児童生徒に、1人1台の学習者用PCやクラウド活用を前提とした高速ネットワーク環境などを整備する5年間の計画を纏めたもの。(機械器具卸売業)
小売業
5月は、新型コロナウイルス感染症による外出自粛がGWまでありましたが、緊急事態宣言解除となり経済も動き出しそうな気配が感じられます。夏は、我々が最も売上が期待できる時期(特にエアコン)であり、昨年の夏は冷夏で終わっている為、早くからエアコンの「試運転ハガキ」を送付することで商談のきっかけを掴み、訪問して頂く活動が実を結び夏関連商品の売上が上向いて来ている。
組合員は、収益状況が以前と比し半分以下の店が大半なので、当組合として持続化給付金の活用を進めている。そのため、一部組合員よりそれを利活用したことで喜びの声がある。
キャッシュレス・ポイント還元事業が6月末で終了するので、取扱店はPRをがんばってほしい。(電気機械器具小売業)
和歌山市内におけるセルフガソリンスタンドの市況は、レギュラー1㍑あたり110円台半ばである。大阪府南部の130円前後と比べ15円程度低く、5月中旬以降の元売価格の上昇分を販売価格に転嫁出来ていない状況が続いており、特に市内北西部ではPB(プライベートブランド)ガソリンスタンド開所に端を発した価格競争も収まらず、レギュラーで90円台後半~100円台である。
資金力の弱い小規模ガソリンスタンドにとっては、需要減でのマージン縮小により経営状況は益々厳しくなっており、業界全体の疲弊化が懸念される状況。
また、白浜や高野山等観光地においても未だ需要回復の兆しすらない状況が続いている。経営状況の悪化により紀の川市内のガソリンスタンド1軒が8月末で廃業予定。(燃料小売業)
5月はまだ新型コロナウイルス感染症の影響により、消費回復に至っていない。業界全体で悪化している。(食肉小売業)
5月下旬になると少し雰囲気はよくなったものの、まだ、ステイホームに従って外出を避ける人が多数居る。買い物をしようという気分にはなれないようです。(時計・眼鏡・カメラ小売業)
新型コロナウイルス感染症拡大による影響により、当地域内の5月の経済状況は観光関連業・飲食業については、休業状態の事業所がほとんどでテイクアウト及び予約制による商品販売等、提供方法を変えて収益を得る努力をした。
他の小売業においても、受注があっても部品や仕入材料等の納品ができないため、販売に至らず売上高が減少した組合員が多数あった状況だった。(複合業種)
商店街
5月は前月と比し収益状況は殆ど同じで減少傾向のままでした。少し業者買いが戻ってきそうですが、まだまだ元に戻るまで時間がかかりそうです。(和歌山市)
サービス業
5月も新型コロナウイルス感染症の影響により、県下旅館・ホテル業界は散々な状態でした。しかしながら、政府が緊急事態宣言を全面解除したことを受け、6月若しくは7月から営業再開する施設がほとんどだと思います。
また、和歌山県が県民を対象とした県内施設の利用促進キャンペーンや京阪神地域などへの観光PR活動を段階的に再開することを盛り込んだ観光振興支援策等の観光産業の回復を図る助成を発表したことにより、今後は徐々にではありますが売上が戻ってくることを期待しています。(旅館・ホテル)
5月の対前年同月比の宿泊人員は3.3%、総売上高3.9%、1人当消費単価119.9%、総宿泊料金4.0%、1人当宿泊単価124.1%で、対前々年同月比の宿泊人員は3.8%、総売上高4.9%、1人当消費単価128.6%、総宿泊料金5.1%、1人当宿泊単価132.6%だった。
2020年1月~5月の宿泊人員は169,320人で、前年同期間(2019年1月~5月)と比べると237,108人の減少である。
新型コロナウイルス感染症の影響で宿泊客が激減している。6月も半数近くの施設が休館する予定だ。(旅館・ホテル[白浜温泉旅館協同組合])
5月も前月に引き続き、来客の減少が止まらない。ほとんどの店が80%以上の減少となっている。
また、緊急事態宣言が解除されても飲食店は以前と同じ経済状況です。店を開けても客が来ないので、休業している組合員が多い。
国・県・市等に対して給付金や助成金等の申請が多く為されている。日本政策金融公庫の無利子融資も落ち着いてきており、申請件数も減少している。(飲食業)
5月は新型コロナウイルス感染症による影響が出てきました。景気の悪化から新車・中古車の販売台数が減少しています。
また、車検整備では海外で生産している一部の車検部品がなかなか入らない、或いは車検有効期間の延長に伴い、月の車検台数が把握できない事例があります。(自動車整備業)
5月は、前月に引き続き売上高が減少したことで、持続化給付金の申請をする組合員が多い。しかし、その一方で廃業する組合員もある。(自動車車体整備業)
建設業
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、国・県の支援金融資の問合せが多くなってきている。緊急事態宣言の解除で、ここで踏み留まるのか、バタバタと悪化するのかここからが正念場と考えます。(電気工事業)
経済的に失業率が増加している中、一般的な工事受注も先送りにされる物件が多く、業況は著しく低下している模様。忙しい事業所は忙しく暇な所は暇な状態です。
これから第2波の警戒も厳しくなるように組合員全体で何が出来るのか、思いやり・助け合い・心の安心になるような心遣いをして行かなければならないと思います。
組合員全員に負担にならない持続化給付金を積極的に推奨しています。(板金・金物工事業)
5月における公共工事(国・県)の発注額は先月に引き続き減少傾向です。新宮地方においても新型コロナウイルス感染症の影響が出始めています。(一般土木建築工事業)
運輸業
5月の軽油価格については、前月比では1㍑あたり3.9円の値下げとなりました。対前年比では1㍑あたり28.8円の値下がりとなりました。
燃料の値下がりは運送業界にとっては有難いですが、物量も大きく減少しているので非常に厳しい経営環境であります。特に、鉄鋼関係は前年同月比マイナス20%で全体的に減少傾向であります。この経済状況が続くと運送している商品の種類により経営困難の組合員も出てきます。資金調達が非常に厳しい状況で、経営環境が厳しい組合員が増えてきています。(一般貨物自動車運送業)
新型コロナウイルス感染症の影響による経済停滞で、高速道路通行量が減少に転じた。特に、観光を主としたバスの運行状況が厳しい。
また、原油価格も前月同様下落水準のまま推移している。(一般貨物自動車運送業)