【2022年4月分】景況調査

【2022年4月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 − 7.5 − 17.5 − 20.0 − 17.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 原材料価格が高騰しているため、今後値上げを検討していく必要がある。この先も原材料価格の高騰が続きそうであるため原料ストックを行った。(食料品製造業)
 梅干製品の通販は大概順調であるが、他の販売先はあまり順調でない状況が続いている。梅の作柄は平年並みは見込まれそうで、原料価格に影響がみられるかもしれない。(食料品製造業)

繊維工業

 生産に対する原材料在庫が不足している。(繊維工業)
  受注に関しては昨年と比べ回復傾向にあるものの、原油価格の高騰に始まる原料費、加工費、運賃等上昇の影響が出てきている。現状を理解し、価格転嫁に協力的な取引先であればいいが、そうでないところも多々あり、今後各経費の上昇が続けばより一層厳しくなってくる。(繊維工業)
 4月の売上は前年同月とほぼ同じであった。組合員の声によると、注文はそこそこ入ってくるが、原料糸不足と原料価格高騰により注文単価に合わせることが難しく、注文を断ることが発生している。このまま原材料価格の高騰が続き組合員企業への更なる負担増や悪影響が心配である。(繊維工業)

木材・木製品

 令和4年3月の新設住宅戸数は全国で76,120戸と13ヶ月連続の増加、全体で前年同月比6.0%の増となった。また、2021年度の年間着工戸数は865,909戸となり対前年度比6.6%の増で3年ぶりの増加となった。持家は4ヶ月連続の減少で前年同月比9.4%減少、民間資金は3ヶ月連続の減少、公的資金も5ヶ月連続の減少となった。貸家は13ヶ月連続の増加で、前年同月比18.6%、分譲住宅は2ヶ月連続の増加、マンションも2ヶ月連続の増加となった。県内の新設住宅戸数は353戸で前年同月比50.9%の増加。更に、全国のプレカットの状況は資材高、職人不足による建設遅延が続き、不透明感が強まっている。県内も円安による輸入コストの大幅上昇により価格転嫁が難しい状況が強まっている。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 コロナ禍に加えて、ウッドショック下で受注状況は建築工程のメドが立たなくなり前伸ばし状態である。また、原材料不足、原材料価格の高騰などにより依頼された見積もりが立たない状態が長らく続いている。(家具・装備品製造業)
 年度末の駆け込み需要が落ち着いた後も、単発であるが4月は各施設、医院、大型住宅等の動きがあり稼働率の低下は見られなかった。半面、店舗の大規模改装、新設や見本市などイベントの設営工事などの動きは依然少なく、その分野を専門とする木工所、内装工事業者では苦戦しているとの情報。5月については引き続き同じような需要があり、大幅な売り上げ低下はなさそうだが、6月以降は全く未知数。一方材料価格は、芯材、合板、塗料が1.2倍~2倍程度の継続値上げとなりコスト管理がうまくできない状態。マンション用家具、建具などの薄利の量産工場ではかなりの痛手となっているようである。アフターコロナが少し見えてきたようだが、国際情勢も不安定でまだまだ楽観視できない。しかし来たるべき景気回復に向け、スタッフの新規採用や機械設備の更新など体制強化にどの辺で舵を切るかが今年度の課題となりそう。(家具・装備品製造業)

印刷

 印刷資材価格が高騰しているが、今までの取引先に価格転嫁しがたく、ますます収益状況が悪化する恐れがある。(印刷・同関連業)

化学・ゴム

 今月は対前月比では、医農薬中間物、有機中間物、高分子が伸び、出荷量4.7%、出荷額20.1%のそれぞれ伸びであった。対前年度同月比では、農薬中間物、高分子、精密化学品の減で、出荷量10.4%、出荷額15.8%のそれぞれ減であった。昨年度が大幅に落ち込んだ反動もあり、本年度は出荷量・出荷額ともに増加を確保できたが、資源高の影響で収益面では苦しい面も。一昔前の円安で輸出が好調で経済をリードしていた時代と様変わりしているように思われる。(化学工業)

窯業・土石製品

 出荷量の低迷に加えて原材料の相次ぐ値上げの影響で、販売価格の値上げを実施又は検討している状況である。セメントの供給は今のところ問題ないとメーカーは言っているが、石炭をロシアから輸入しているメーカーは対応に追われている。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 売上高は前年同月比で約4%の減少。依然として顧客の生産計画が乱れていて、その対応に苦慮している。従来のコロナ感染拡大及びウクライナ情勢の問題に加えて、中国のロックダウンが新たな要因となっている模様。金融面では金利の動向が気になる。(金属製品製造業)
 購入材料及び調達部品の価格上昇が続いている。また、部材のリードタイムが長くなってきている。円安が進み、今後どのような影響が出てくるのか注視していかなければならない。(金属製品製造業)

その他の製造業

 小ロットながらも発注がみられるようになってきた。明るいカラー調のオーダーが増えつつある。5月下旬の東京レザーフェア後に期待している。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 高齢化などで製造に携わる人員が減少し困っている。(その他の製造業)
 前月比の売上高でみると各社に違いがある。円安や中国ロックダウン、ウクライナ問題など原材料価格の高騰に先行きが見通せない。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 新年度が始まったが、昨年度からの商品供給や材料の価格上昇の問題も改善されておらず、先行き不透明なスタートとなった。今年度も業況については、昨年度と同様かより厳しい状況が予想される。価格競争や価格上昇分が販売価格に転嫁できない場合は、収益状況の悪化が予想される。また、大型連休明けのコロナウイルス感染状況も今後の業況に影響する可能性があり注視されている。(機械器具卸売業)

小売業

 政府の燃料油価格激変緩和対策事業による元売等への補助が、最大25円から35円に拡充され実施期限も4月末から9月末に延長された。また、全国平均小売価格の目標額となる基準価格もレギュラーガソリン1ℓ当たり172円から168円に引き下げられた。こうした措置によりガソリン価格は高値安定状態が継続している。但し、ガソリン需要については、コロナ禍・ウクライナ情勢・ガソリン価格高等の影響で低迷が続いている。(その他の小売業)
 相変わらずマスク着用の日々だが、日常生活は平常に近づいてきたこともあり、低いレベルながら穏やかな商業環境になってきた。一方で我々の扱う品目は海外からの輸入品も多く、時計やバンド、貴金属などは値上げが相次いでいる。海外の急激なインフレと円安が重なって輸入品の価格高騰は日本国内の消費に重くのしかかってくる。(その他の小売業)

商店街

 空き店舗が減ってゆく傾向が昨期より継続して続いている。空き店舗が居酒屋になった。良い傾向ではあるが、飲食サービス店ばかりなのが気になる。商店街で物販は成立しないと言われて久しいが、顕著になってくると少し残念な気がする。物販店の業態変化が求められるところである。事業再構築などの補助金は、活用しようと計画している事業者は少なく、依然として縮小均衡の傾向が続いている。新規投資の資金需要を必要と考える事業者の相談はない。(複合業種(和歌山市))
 4月に2店廃業した。商店街は寂しくなるばかりである。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 少子高齢化に伴い家庭でのガスの使用が減少している。得意先でガスを使用する飲食店・製造業は未だコロナの影響で休・廃業、生産が減少している。ガスの卸値が高騰し、価格が高止まりの状況にあり収益は悪化している。(ガス業)
 4月の売上は、かなり上向いて来ており、コロナウイルス感染拡大前に比べては30%程度の減になっているが、前年同月に比べれば300%増の施設もある。ゴールデンウイークの予約も平日はやや少ないところもあるものの、ほぼ満室の状況。今のところ好調に推移している。(宿泊業)
 4月の対前年同月比の宿泊人員は172.0%、総売上高184.5%、1人当り消費単価107.3%、総宿泊料金201.7%、1人当宿泊単価117.3%だった。2022年1月~4月の宿泊人員は203,016人で、前年同期間(2021年1月~4月)と比べると67,402人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナウイルス感染者の高止まりにより客数が思ったより増加しないものの、客数・売上ともに安定してきている。仕入れが高くなっているが転嫁しづらい状況である。また、スナックやバーは相変わらず厳しい状況である。(飲食店)
 3月の保有台数と前年度増減数は、登録車331,471台(-1,820台)、軽自動車418,973台(+777台)、車検台数は、登録車15,090台(-715台)、軽自動車16,084台(+40台)となっており、高齢化で全体の保有台数は減少を続けている。(自動車整備業)
 車体整備の高度化・活性化に向けた勉強会を実施し、優良な車体整備向上の見える化の実現に向けて、先進安全自動車対応優良車体整備事業者の認定制度を推進している。(自動車整備業)

建設業

 県工事4月の受注額は前年度比70%減となっているが、年度により発注計画が異なるため今後の推移を見守りたい。(総合工事業)
 年度末から年度初めにかけて工事発注件数が減少し、手持ち工事のない業者が目立ってきた。また、4月以降に組合内にコロナ感染者が発生し、会議や講習会の開催を延期した。(総合工事業)
 原材料の価格が7月に再度値上げになる見込み、仕入品も3ヶ月以上待ちの物もあるなど厳しい状況。得意先によるが全体的に工事は減少しており、暇になっている建築関係業者が増加している。利益が確保できるか全く予想がつかない年度になりそうである。(識別工事業(設備工事業を除く))
 先月とあまり変わりないが、組合員や関係各所でコロナ感染者の情報が出始めた。(設備工事業)

運輸業

 物流費高騰による色々な商品価格値上げの報道がなされるが、運賃への反映は下請-孫請けにはほど遠く、顧客自体が同業者という環境に置かれた中小業者としては忍耐が続く。中国でのロックダウンや国内でのコロナ禍における物流量減少による売上減に加え、燃料費の高騰が運賃に反映せず、資金的にも厳しい状況が続く。(道路貨物運送業)
 経由の販売事業並びに高速道路通行料金の精算事業からみると大幅な変動は見られない。(道路貨物運送業)