【2022年10月分】景況調査

【2022年10月分】前年同月比の景気動向

増加・好転  不変  減少・悪化
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売上高 収益状況 資金繰り 業界景況
製造業 食料品
繊維工業
木材・木製品
印刷
化学・ゴム
窯業・土石製品
鉄鋼・金属
その他
非製造業 卸売業
小売業
商店街
サービス業
建設業
運輸業
DI値 − 5.0 − 32.5 − 20.0 − 27.5

(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)

製造業

食料品

 夏以降の梅干製品の販売は、全体的に停滞・低迷している。製品の販売が長く停滞状態にあるので原料市場も同様に停滞している。メーカー、農家ともにキャッシュフローも滞る状態になっている。(食料品製造業)

繊維工業

 縫製業界では労働力確保に限界が来ている中、技能実習生受け入れ企業では、実習期間終了後に実習生が農業などの特定技能に移行しており、特定技能に含まれない縫製業界はますます人手不足となる。物価高、材料高、賃金高で加工賃への転嫁が難しい状況である。(繊維工業) 依然として原材料価格と燃料価格の高騰が続き、影響が大きい。(繊維工業)
 10月の売上は前年同月比でほぼ同じで推移した。しかし、全般的に販売価格を値上げしているのに売上高が増加していないのは、販売数量の伸び悩みが原因であり、収益率の低下が懸念される。有田地区では人手不足が深刻で、給与や時給をアップして募集しても人が集まらない。特に生産現場での人手不足が顕著である。(繊維工業)

木材・木製品

 令和4年9月の新設住宅戸数は全国で73,920戸と2ヶ月連続の増加、全体で前年同月比1.0%の増となった。持家は10ヶ月連続の減少で前年同月比13.3%減少。民間資金は9ヶ月連続の減少、公的資金も11ヶ月連続の減少となった。貸家は19ヶ月連続の増加で、前年同月比8.1%増加、分譲住宅は2ヶ月連続の増加、内マンションも2ヶ月連続の増加となった。近畿圏の新設戸数は12,090戸で前年同月比2.8%の減少となった。県内の新設住宅戸数は531戸で前年同月比16.2%の増加。プレカットの状況はコスト上昇が続いている。10月受注はやや減少傾向だが、工場間でバラツキが出ている。住宅需要の先行きが見通せない状態が続いている。国産材原木についてはヒノキを中心に価格の軟化が続き、市場によってはスギ、ヒノキの価格の拮抗も起こっている。(木材・木製品製造業(家具を除く))
 本業界全体に低迷状態にある。発注先工務店の工期遅れや工期短縮などのシワ寄せがまともに押し寄せ、従来はあまり無かったような仕事が有る日と無い日で顕著に差が生じている。工場運営上困難を極めている。(家具・装備品製造業)
 10月初旬は大阪の商業施設開業等で一時的に受注が増加したが、後半は少し落ち着いている。年度末にかけては建築関連に動きがありそう。今後の大阪での開発ラッシュに期待している。資材価格はここに来て為替の影響で約1割の再値上がり、合板や塗料はこの2年で2倍近い価格になった。コロナによる影響もようやく先が見えてきたようで、波があるものの徐々に回復に向かっている感じがする。ただ不確定要素もあり積極的な経営計画を立てるまでには至らない。よって設備の更新や新入社員の採用などは見合わせている状況。(家具・装備品製造業)

化学・ゴム

 対前月比では出荷量において医薬農薬中間物が7割増、高分子化合物で3割増、出荷額において医薬農薬中間物が約5倍、高分子化合物が約2割増となり、全体で出荷量約3割増、出荷額約5割増となった。また、対前年同月比では出荷量は約1割の減、出荷額も約1割減となっている。世界的な景気低迷が予想され、しばらく原油価格が落ち着いていたが、急激な円安の進行とOPECプラスの減産決定により原油価格に上昇圧力がかかっているので、先行きが不透明である。(化学工業)

窯業・土石製品

 前年比100%を上回るが、前々年比は60%前後の出荷量であるため回復したとは言い難い。全国的にも地方は同じ状況にある。また、建設業界のカーボンニュートラルへの取り組みが加速しており材料業界として対応を迫られている。(セメント・同製品製造業)

鉄鋼・金属

 前年同月比で先月同様に約50%の売上増加となった。昨年同月の売上が少なかったための大幅増である。(金属製品製造業)
 ウクライナ侵攻が長引いており、エネルギー価格の上昇により今後の先行きが見通せない状況、企業によっては、契約先の変更検討を進めているところがある。(金属製品製造業)

その他の製造業

 企業間で相違はあるものの全体的に発注件数にやや増加傾向が見られた。このまま年末まで続けばと期待している。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
 続く原材料価格の高騰、高齢化等による職人不足、商品価格の値上がりによる消費者の買い控えなど問題点が山積している。(その他の製造業)
 前月比でみると売上高は増加傾向であったが、収益状況は不変と悪化の回答に分かれている。(その他の製造業)

非製造業

卸売業

 10月になりコロナ感染者も減少しており影響は少なくなっているが、冬のインフルエンザとの同時流行が懸念される。円安と物流コストの上昇により材料価格が上昇し、それに伴って販売価格も上昇している。メーカーによっては1年も経たないうちに再度値上げの要請がきている。販売価格は上昇しているが収益状況は好転していない。鋼管や鉄の原材料価格が大きく上昇している。商品供給においては、一部の材料関係で改善できていない。納期を確認して見積及び手配が必要。顧客の省エネ機器への関心は高いが設備更新には至らない。(機械器具卸売業)

小売業

 惣菜用の油や粉など食肉以外の材料価格が高くなり、収益が少し悪化している。(飲食料品小売業)
 10月28日に政府の総合経済対策が閣議決定され、燃料油価格激変緩和対策事業については、来年1月以降も継続することを決定。具体的には、来年1月から5月にかけて補助上限を現行の35円から25円まで徐々に縮小させ、6月以降もさらに縮小させ、9月迄を目途にソフトランディングさせていく方針。同時に、価格高騰リスクへの備えも強化される。また、国内のエネルギー供給体制やエネルギー安全保障強化のため、経済対策として「SSの事業再構築・経営力強化事業」によるSSへの政策支援も盛り込まれた。(その他の小売業)
 コロナの影響は一段落し旅行支援が再開されて日常生活は落ち着いた感がある。とはいえ取扱商品の値上げは続いており、物価はまだ上昇傾向にあると思われるが、慣れてきたという雰囲気がある。(その他の小売業)

商店街

 商店街内の動向として、アーケード西側入口の空き地が駐車場になり稼働し始めた。商店街の顔になる場所なのでイメージダウンは免れない。(複合業種(和歌山市))
 協力店が1店舗増えて3店舗になったが、前月の2店舗の廃業がかなり堪える。(複合業種(和歌山市))

サービス業

 官公庁との年間契約単価が一部で赤字になっているため、組合員で年度末までの価格改定の陳情をLPガス契約業者全てに適用される形で行い受け入れられた。組合員の資金繰りが悪化しているため、年度末までの設備投資等は皆一様に控えている。(ガス業)
 全国旅行支援(わかやまリフレッシュプランSワイド)の好影響で、多くの施設はコロナ前の状態に戻りつつある。今のところインバウンドの来県は、紀南地方を除いてあまり多くないが、今後は増加が見込めるので業況の回復に期待している。(宿泊業)
 10月の対前年同月比の宿泊人員は135.3%、総売上高151.3%、1人当り消費単価111.8%、総宿泊料金155.0%、1人当り宿泊単価114.5%、だった。2022年1月~10月の宿泊人員は683,221人で、前年同期間(2021年1月~10月)と比べると212,145人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
 コロナ感染者数が落ち着きをみせ、客足が戻りつつあり売上も増収となっている。特に、居酒屋や料理店は回復しておりスナック等もやや上向きになっている。しかしながら、団体客が少なく利益には繋がっていない。更に、電気・ガス・材料価格・人件費の高騰により利益率が悪化し、価格にも転嫁できず苦しい状況。日本政策金融公庫等の融資は、コロナ無利子融資が終了し、新規開業や既存店舗の融資希望者が減少している。また、審査もやや厳しくなっている模様。(飲食店)
 9月の保有台数と前年度増減数は、登録車328,955台(-2,990台)、軽自動車418,665台(+997台)、車検台数は、登録車13,606台(+233台)、軽自動車13,267台(+685台)となっており、車検台数が登録車と軽自動車合計ともに増加している。3年前の消費税率引上げ前に新車の購入が増えた為と思われる。(自動車整備業)
 特定整備認証取得の促進に向けて講習会等を開催する必要がある。(自動車車体整備業)

建設業

 10月の県工事受注額は前月と同様で前年同月比50%以上の減となった。今後もこの状況が続けば平年を下回る懸念がある。今後の補正予算等での工事発注に期待したい。(総合工事業)
 当地域における公共工事の受注高は引き続き減少傾向にある。10月より生コン単価が大幅に値上げされたので、公共工事設計単価の早期見直しが待たれる。(総合工事業)
 各メーカーの資材値上げと4月頃からの円安も踏まえて、下期の動向が見当もつかない。備蓄倉庫は好況だが住宅系建築はかなりダウンしている。建設業界そのものが資材調達に苦しみ、とんでもない時代になりつつあると感じる。工事がない事業所で所得がかなり減少してくると思われる。(識別工事業(設備工事業を除く))
 景気は良くない上にこれから起こるであろう生活関連の物価上昇が後々響いてくると思われる。(設備工事業)

運輸業

 燃料価格の高止まりによるコストアップと生活関連商品値上げで買い控えによる流通量(輸送量)の減少など経営環境は厳しいままである。また、運輸業界は燃料価格高騰やドライバーの確保、荷主業界の動向など不安定要素が多く経営にも大きく影響するため、資金繰り等の金融環境も厳しい。(道路貨物運送業)
 最近の値上げモードで取引価格が好転しているところが見られる。また、有田地域では温州ミカンの出荷時期をむかえ、これから本地域の繁忙期となる。(道路貨物運送業)