【2022年11月分】景況調査
【2022年11月分】前年同月比の景気動向
売上高 | 収益状況 | 資金繰り | 業界景況 | ||
製造業 | 食料品 | ||||
繊維工業 | |||||
木材・木製品 | |||||
印刷 | |||||
化学・ゴム | |||||
窯業・土石製品 | |||||
鉄鋼・金属 | |||||
その他 | |||||
非製造業 | 卸売業 | ||||
小売業 | |||||
商店街 | |||||
サービス業 | |||||
建設業 | |||||
運輸業 | |||||
DI値 | − 7.5 | − 37.5 | − 22.5 | − 35.0 |
(情報連絡員40名のうち回答数40名 回答率100%)
製造業
食料品
原材料、包装資材、送料など値上げが相次いでいるため、そろそろ商品価格を値上げしなければ含みきれない。(食料品製造業)
通販・量販とも前年比で大幅に低下はしていないが、販売全体でみると停滞感はある。原料市場も動きは少なくメーカーも積極的な仕入れは行っていない。(食料品製造業)
繊維工業
店頭での売上げが減少している様で、発注が減少傾向である。売上げ増加に転じている企業も見受けられるが減少の企業が多い。原材料価格の上昇、人件費の増加、光熱費等の経費増加、従業員・熟練技術者の確保難が、収益状況悪化の問題点であると思われる。(繊維工業)
原料や光熱費など値上がりがじわじわ続いている。(繊維工業)
11月の売上はここ数ヶ月でかなり増加したものの前年同月比でみると減少している。設備操業度や業況は、企業の規模や製造する商品の違いにより格差が生じている。冬物の商品販売が本格化しているが、働き方改革やコロナによるライフスタイルの変化により、市場から求められる商品の種類が変化してきている。(繊維工業)
木材・木製品
令和4年10月の新設住宅戸数は全国で76,590戸と3ヶ月ぶりの減少、全体で前年同月比1.8%の減となった。持家は11ヶ月連続の減少で前年同月比18.7%減少。民間資金は10ヶ月連続の減少、公的資金も12ヶ月連続の減少となった。貸家は20ヶ月連続の増加で、前年同月比7.3%増加、分譲住宅は3ヶ月連続の増加、内マンションも3ヶ月連続の増加となった。近畿圏の新設住宅戸数は13,918戸で前年同月比18.4%の増加となった。地域別では近畿圏だけが増加で、他の地域は全て減少となっている。県内の新設住宅戸数は372戸で前年同月比11.4%の減少。プレカットの状況は秋以降稼働率が月をおって低下してきている様子で、来年1月まで厳しい見通し。特に電気料金の増加が春先で20~30%だったものが、秋に入って50%以上になってきている。(木材・木製品製造業(家具を除く))
先月に引き続き建具業界は低迷期が慢性化している。原材料価格の高騰、原材料の入手不足、現場の工期遅延など業界を取り巻く情勢は悪条件が積み重なっている。(家具・装備品製造業)
当月は、前年並みでまずまずの売上額となった。ただ年内の予定物件数が少なく12月は一時的に減少になると思われる。新年2月3月に向けて既に引き合いがあり増加となる見通し。資材価格高騰によるコスト面での問題に加えて、長らくの需要低迷による落札価格の低下があるが、年明け以降の回復に期待している。人材不足について、家具製造業は職人の技術が無くては成り立たない。半面、製作に必要な人件費を算出すれば、機械化が可能な量販品に比べて圧倒的な価格差が生じてしまうため、結局利益率を最小減まで削ったのが現状の価格水準となっているので、給与水準が低い、良い人材が育たないという悪循環になりつつある。大切な技術に掛かる費用をどうやって価格に反映していくかが今後の課題である。(家具・装備品製造業)
化学・ゴム
前月比では出荷量において高分子化合物で7%程度減少したものの、その他化成品が16%程度増加となり、全体で2%程度増加。出荷額は医薬農薬中間物が40%程度減少したことが響き、全体出荷額が10%程度減少している。また、対前年同月比では出荷量は約10%程度の減だが出荷額は2%程度増加している。前年との比較において、出荷量が減にも関わらず出荷額が微増ということは、製品価格の値上げが浸透していることによるものと考えられる。しかし、最近の原材料や燃料価格の高騰と円安が更なるコストの上昇に繋がっており、先行きは非常に厳しいものがあると考えている企業が多い。(化学工業)
窯業・土石製品
依然原材料価格の高騰やエネルギー価格の高騰に悩まされている。(セメント・同製品製造業)
鉄鋼・金属
前年同月比で約28%の売上増加となった。順調に部材の調達が可能になってきて、顧客の生産も回復してきた様相。(金属製品製造業)
全体として売上げの状況は改善されてきており好調といえるが、自動車関連部品製造企業では、まだまだ生産の停滞が続いている状況であり、暫く見通しがたたない状況である。また、材料価格高騰による価格転嫁は各企業苦慮している。(金属製品製造業)
その他の製造業
来年の夏秋物の新色サンプルの注文が出始めてきた。12月初旬の東京レザーフェア後の動きに期待。業況は依然として厳しいが、徐々に引き合いも多くなってきている。(なめし皮・同製品・毛皮製造業)
原材料費が上がり、小売価格も上がってくると、今後益々商品が売れなくなるのではないかと不安である。(その他の製造業)
売上と収益状況は製造する商品の違いにより各社の回答が異なる。前年同月比の売上高は年末を迎えて増加したとの回答が大半であった。(その他の製造業)
非製造業
卸売業
10月と同様に市場状況については特に変わりはないが、大手メーカーから来年1月と4月の二度値上げを行うと通知があった。工期が長い物件については価格転嫁ができず収益悪化の恐れがある。不良債権や回収遅延について、今後増加してくる可能性が高く注視している。商品供給において一部の材料関係で改善できていない。顧客の反応をみると省エネ関連機器に関心がありそうだが、設備更新には至らない。(機械器具卸売業)
小売業
今年2月にスタートした燃料油価格激変緩和事業の政府補助金は、レギュラーガソリン1ℓ当たり3円から始まり、その後、国際情勢や世界経済等の変動、補助上限の拡大措置等により、5月以降は30円台後半から40円台前半の範囲内で推移してきたが、11月中旬以降は、原油価格の下落と円高ドル安の揺り戻しで潮目が変わり、30円台前半から20円台へと縮小し、12月に入ると10円台に低下。こうした状況から、業界関係者が望んでいた緩やかな出口への期待感が高まっている。(その他の小売業)
今回は取扱品の一部に小売価格の値上げではなく、仕入れ価格の値上げがあった。小売価格は据え置きとなり、利益が圧縮されることになる。売り上げに影響が出ないようにするために流通の各段階で努力しようというわけだが、消費者に価格転嫁出来ない皺寄せが存在するという一例である。(その他の小売業)
商店街
物価の上昇が、仕入れ価格に転嫁されるケースが顕著になってきた。販売価格への転嫁のタイミングの見極めに苦労している。在庫品の値札の張替えに手間がかかるケースもあり業務を圧迫している。売上の回復はコロナ禍以前の水準には程遠く厳しいままである。現状を受け、商店街組合について今一度再確認し目的に沿った活動内容かをチェックしないといけないと考えている。組合員の構成も変わり、活動の方針の芯が揺らいでいるため、組合活動に対し積極的な関与がさらに希薄になってきており、存在意義、行動指針、目的をはっきりさせ、組合員全員と共有することが大切だと感じている。(複合業種(和歌山市))
精肉店2軒が同時に閉店し、生鮮3品が揃わない状態は商店街にとって大変困る。(複合業種(和歌山市))
サービス業
ガスの契約単価の見直し等で売上は少し好転すると思われるが、一般消費者分の値上げは、顧客離れも鑑み他業界の動向の様子を見ている。ガスの売上(使用量)が増加する季節になるため、資金繰り等は若干良くなる兆しがある。(ガス業)
11月も全国旅行支援の好影響で売上が順調に回復しており、コロナ前の水準に戻って来ている。また、年明けも割引率は40%から20%に下がるものの、引き続き観光需要喚起策が行われる予定で業況回復の継続に期待している。(宿泊業)
11月の対前年同月比の宿泊人員は110.5%、総売上高117.5%、1人当り消費単価106.3%、総宿泊料金133.5%、1人当宿泊単価120.9%だった。2022年1月~11月の宿泊人員は543,406人で、前年同期間(2021年1月~11月)と比べると219,726人の増加である。(白浜温泉旅館協同組合)
コロナ感染者の増加により客足が減少している。戻りつつあった売上も減少になっている。なお、繁忙期の年末年始の予約状況もかなり減少している。また、地域により売上にバラつきがあり、全国旅行支援事業で賑わう白浜温泉地では売上は増加している。コロナ禍で廃業を考えているが、融資返済のため廃業できない店舗が見られる。(飲食店)
10月の保有台数と前年度増減数は、登録車328,835台(-2,999台)、軽自動車418,878台(+1,080台)、車検台数は、登録車15,616台(+693台)、軽自動車15,419台(+274台)となっており、先月同様に保有台数は減り車検台数は増加している。中古車仕入価格の高騰の為、資金繰りが厳しくなってきている。(自動車整備業)
高度化車体整備講習などスキルアップ及び資格取得者の増強が課題となっている。(自動車車体整備業)
建設業
11月の県工事受注額は3ヶ月連続で前年同月比50%以上の減となっている。これは、当地方において異常気象等による土木施設災害がほとんどなかった事も一因している。今後もこの状況が続けば平年を下回る懸念があり、補正予算等での工事発注に期待したい。(総合工事業)
新宮地域における公共工事の受注高は引き続き減少傾向にある。手持ち工事のない業者が増加傾向で、年末に向けて景況は悪化している。(総合工事業)
発注元の各取引先の関係で工事受注の度合いが違う。ある発注元は、かなり競合先に工事を取られたため、そこに依存している事業者は工事に恵まれていない状況にある。ただ、全体的に見るとボチボチ休まない程度に工事を行っている状況。(職別工事業(設備工事業を除く))
前月と大きく変わりなし。唯一の明るい情報としては、脱炭素化の流れでEV普及拡大により充電設備の施工が増加しそうであること。(設備工事業)
運輸業
原油価格は下降気味だが、国の補助金が上下動するだけで燃料価格は高止まりのままで、加えて生活関連商品値上げで買い控えによる流通量(輸送量)の減少など経営環境は厳しいままである。業界的には倒産や燃料代の支払遅延などの事例が増えているとの情報があり、今後コロナ融資の返済期を迎えるので注視していかなければならない。(道路貨物運送業)
有田地域では温州ミカンの出荷時期をむかえ、本地域の繁忙期到来である。軽油価格は高値安定であるが、品薄状態になるなど価格だけではない問題がある。(道路貨物運送業)